200億円マーケットとされるススキノ酒類市場に、ひとまいる(旧社名カクヤスグループ)とカクヤス(同・同)が、2026年3月に参入する。市内に小型倉庫を設けて、「なんでも酒やカクヤス」の飲食店向け、個人向け配送サービスを開始する。ひとまいるは、東京証券取引所スタンダード上場で、同社の成長戦略であるグループ中期経営計画に基づき、札幌進出を決めた。
(写真は、ススキノ交差点)
ひとまいるグループは、「なんでも酒やカクヤス」を中心に、首都圏、関西、九州で250を超える配送拠点から、酒類などを飲食店、個人のお客に自社配送するビジネスモデルを展開してきた。2025年5月に、グループ中期経営計画「TRANSFORMATION PLAN 2028」を策定、同社グループの強みである独自の配送ネットワークのノウハウが生かせる政令指定都市へのエリア拡大を掲げていた。
今回、この中計に基づくとともに、顧客からの要望も会受けて、東日本最大の歓楽街である「ススキノ」をはじめとする札幌エリアに拠点を設けて、配送サービスに乗り出すことにした。
具体的には、配送サービスを始める2026年3月までに、小型倉庫としてススキノSS、札幌大通SSを設ける。カクヤスモデルである「365日年中無休、完全自社物流、ビール1本から(ロット縛りなし)、無料配達」の特徴をフルに発揮して一般顧客向けにも展開、順次サービスエリアを拡大する。同グループは、2025年9月末で小型倉庫を全国で58ヵ所展開しており、そのうち首都圏が48ヵ所と最も多く、関西、九州の各エリアは、5ヵ所ずつ配置している。
ススキノの酒類市場は、約200億円とされている。地場の二次卸としてワタショウ、カメハタ、いまい、クワハラ食糧、わしずなどが展開しており、2021年には、全国系のリカーマウンテン(本社・京都市下京区)も参入した。酒類販売一次卸の帳合を獲得するためには、代配やビール瓶、日本酒瓶、洋酒・ワイン瓶の回収も必要とされており、「カクヤス」のススキノ参入には課題もある。ただ、全国大手の「カクヤス」の進出は、札幌市内の酒類二次卸業界の再編にも繋がりそうだ。



































