映画『鉄道員(ぽっぽや)』のロケ地、空知郡南富良野町幾寅で、農協系スーパーが2025年9月4日、新たなスタートを切った。公設民営方式に切り替わったもので、南富良野町が運営に協力する。人口2216人(2025年7月31日現在)のまちで唯一のスーパーは、町民にとって貴重な存在。ただ、今後の人口減少を考えれば、時限的対応とならざるを得ない側面もある。(写真は、2025年9月4日に公設民営で新たにスタートした「ホクレンショップ南ふらの店」=ホクレン商事提供)
南富良野町唯一のスーパーだった「エーコープ南ふらの店」は、元々は地元の農協が60年近く前から運営していたが、その後、ホクレン商事(本社・札幌市北区)が運営を担う体制になって継続してきた。しかし、近年は赤字状態が続き、店舗の土地建物を所有するJAふらの(本所・富良野市)と町は、今後のスーパー運営について協議を重ねてきた。そうした中、町がJAふらのの土地建物を取得、公設民営方式でスーパーの存続を進めることになった。
約100坪の広さがある店内の設備老朽化も激しかったため、床の張り替えやレジの入れ替え、トイレの改修のために2025年8月18日から休業して、リニューアル工事を行ってきた。改修費約1億数千万円は、町が負担した。店舗名も「エーコープ」から「ホクレンショップ」に変更して、買い物客に新たなスタートを印象付けることにした。店舗を運営するホクレン商事は、当面の黒字化を見込むが、黒字の定着に向けた展開も模索していく。同店では、惣菜のインストア製造を行っていないため、富良野地区で同社が運営する3店舗共通の惣菜製造を検討するなどし、来店動機を高める工夫を行っていく考え。
※2025年9月8日記事一部修正しました。