JR根室線富良野~新得間(81・7㎞)が、2024年3月31日で、開通から117年の歴史に幕を閉じた。沿線や駅には、最終日の列車を見送ろうと、多くの鉄道ファンや地域の人たちが集まった。富良野駅ではお別れセレモニ―が行われ、北猛俊市長は「根室線がたくさん残してくれた記憶を大切にしながら、市民とともにまちづくりに努めたい」と話し、満員の列車を見送った。※動画はこちらの画像↓をクリックしてご覧ください。

(写真は、お別れセレモニーで発車する根室線富良野発東鹿越行き列車)

 根室線富良野~新得間は、1907年(明治40年)9月に開通以来、道央と道東を結ぶ大動脈だったが、1981年10月の石勝線開通でその役割の多くを譲った。以降も地域の足として機能してきたが、2016年8月の台風10号による被害で東鹿越と新得間(41・5㎞)が不通となり、この区間はバス代行が続いた。JR北海道は、2016年11月にこの区間を廃止・バス転換対象とし、2023年3月に沿線自治体と合意した。東鹿越~新得間は、日高線の鵡川~様似間と同様に不通のまま廃線になった。

(写真は、「お別れセレモニー」で挨拶するJR北海道の綿貫泰之社長)

 富良野駅のホームで行われたお別れセレモニーで、JR北海道の綿貫泰之社長は、「風光明媚な景色に加えて、沿線には北の国からや鉄道員(ポッポ屋)の舞台にもなった駅があり、多くの人に親しまれた路線だった。本日をもって鉄道の営業を終了し、新たな交通体系がスタートする。地域自治体のまちづくりに協力していきたい」と挨拶した。

(写真は、「お別れセレモニー」で来賓挨拶をする富良野市・北猛俊市長)

 続いて北市長が来賓として登壇、「根室線は人々の開拓にかける思い、働く人たちの心を今日まで繋いできた。根室線が果たした役割、そこに込められた思いを引き継いで、まちづくりに努めたい」と話した。その後、ホームで南富良野高校の生徒2人が、古川智哉富良野駅長と加藤孝典運転士に花束を贈呈、14時38分に古川駅長の出発合図で東鹿越行き列車が発車した。
 2024年4月1日からは、既存路線バスの延伸・増便、町営バスの新設、既存都市間バスの増便、道の駅「南ふらの」(空知郡南富良野町幾寅687)をこれらの交通結節点として機能させる。
(写真は、最終運行日に山部駅を出発する富良野行き列車)
(写真は、布部駅の駅舎前に掲げられている倉本聰氏の直筆による「北の国 此処に始る」の木製碑)
(写真は、最終運行日に布部~富良野間走る列車)


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