マックスバリュ北海道(本社・札幌市)の出戸信成社長は、イオンのプライベートブランド(PB)である『トップバリュ』の取扱い比率を同社の全取扱い商品の20%に高めることを明らかにした。現在、10数%だが、2014年度中に達成する。『トップバリュ』はナショナルブランド(NB)のメーカー品より低価格で消費者に受け入れられている。消費税増税を控え、『トップバリュ』の品揃えを強化、道内で食品スーパー業界の競争を優位に進めていく。(写真は、出戸信成社長)
同社の売上げは、6月の時点で34ヵ月連続前年同月を上回り好調を持続している。既存「マックスバリュ」店舗のリニューアルや激安業態「ザ・ビッグ」への転換などが買い物客のニーズに合致しているためだが、伸びを支えている要因のひとつが『トップバリュ』。
円安による原材料値上げなどでNBを中心に食品の価格は上昇しているが、『トップバリュ』は価格を据え置いている。このため、冷凍食品や調味料、お菓子、飲料・酒などが2ケタの伸びを示しているという。
同社の取り扱っている商品のうち『トップバリュ』の比率は現在10数%だが、伸びが大きいため来年度中に20%まで高めて買い物客の低価格指向に応えていく。
消費税の増税で食品スーパー各社は買い控えが起こると予測。増税分を転嫁するか企業努力で吸収するかの判断に迫られることは必至。『トップバリュ』は、増税後も価格を維持すると見られており、NBからのシフトも加速、さらに売り上げ増に結び付きそうな勢いだ。
現在、全国のイオングループ各店舗で販売されている『トップバリュ』は、年間約7000億円。一方、セブン&アイ・ホールディングスのPB『セブン・プレミアム』は約5000億円。
こうしたPBは、価格対抗力が強いため、消費税増税後の食品スーパー業界の勢力図にも大きく影響しそうだ。なお、大手系列に属さない全国食品スーパーの共同仕入れ会社、シジシージャパンのPB『CGC』は約3000億円の年間売上げがあるとされる。