「ロピア」が来る前に臨戦態勢、「北海市場屯田店」でネット宅配スタート

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 2024年11月の「ロピア」北海道初進出を前に、札幌市北区で前哨戦が始まった。地域密着の生鮮スーパー「北海市場」を展開するモリワキ(本社・札幌市西区)は、「北海市場屯田店」(同市北区屯田8条4丁目5-2、ジョイフルエーケー屯田店内)をピッキング拠点とするネット宅配事業を、同年9月18日からスタートさせた。「ロピア」では行わないネット宅配事業を、「ロピア」進出前から手掛けて臨戦態勢を整える。(写真は、2024年9月18日からスタートした「北海市場屯田店」のネット宅配)

「北海市場屯田店」は、2018年10月、「イトーヨーカドー屯田店」の向かいにある大型ホームセンター「ジョイフルエーケー屯田店」1階に出店、コバンザメ商法のように両店は共生してきた。しかし、「イトーヨーカドー屯田店」が撤退、後継テナントとして「ロピア」が道内初出店することになり、競争環境が大きく変わるとみて、モリワキは、「ロピア」が手掛けないネット宅配事業で事業の多様化を図ることにした。

 三重県で13店舗を展開している、スーパーサンシ(本社・三重県鈴鹿市)のフランチャイズ事業として、ネット宅配システムを導入し、今年6月から会員(当面は戸建て限定)の募集を開始。月額会費550円(税込み)で月に何回も利用でき、配達料は、1度に1500円以上の購入は無料(1500円以下は110円必要)。鍵付き宅配ロッカーを無料で提供、敷地内に設置してもらうことで置き配(常温、冷蔵、冷凍の3温度帯対応)もできる。注文はスマホ、パソコンから24時間受け付け、当日の10時までに注文すると、17時までに届ける。

 9月18日から専用の宅配車3台で、北区あいの里方面や石狩市花川方面など「屯田店」から半径3㎞圏内の利用者宅に注文商品を届け、ネット宅配事業をスタートさせた。価格は、ピッキング拠点の「屯田店」とほぼ同額に設定。対象商品は、特売商品を含めて1万アイテム弱だが、「北海市場」の強みである青果、鮮魚、精肉の生鮮食品、幅広い品揃えの調味料などの注文が多いという。会員数は、年内に400件以上を目指すとしている。

 モリワキの斉藤亮彦執行役員統括本部長は、「ロピア進出で周辺に集まる買い物客が増えることは、当店にもプラスになる。ロピアにはない商品の品揃えを進め、小回りの良さで差別化を図っていきたい。ネット宅配事業もその一つで、バス減便などで買い物が難しい地域をフォローしていきたい」と話した。「北海市場屯田店」では、ヨーカドー閉店後に売り上げが前年比3割近く上昇している。「ロピア」出店で、2割程度は落ち込むとみているが、店舗活性化とネット宅配事業で1割以上の増収を見込む。

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