「ロピア」業態取り入れ「フードD生鮮市場澄川店」(苫小牧市)リニューアル、生鮮強化型ディスカウンター

流通

 豊月(本社・苫小牧市)は2024年8月8日、苫小牧市澄川町1丁目2-11の「フードD365(サンロクゴ)OASIS(オアシス)」を、生鮮強化型の低価格スーパー「フードD生鮮市場澄川店」にリニューアルしてオープンさせた。生鮮比率を高めて、グローサリー、日配品を低価格で販売する関東のディスカウンター「ロピア」の業態を参考にした。同社は、現在8億円の年間売り上げを倍増させる考え。(写真は、2024年8月8日にリニューアルオープンした「フードD生鮮市場澄川店」)
(写真は、鮮魚コーナー)

 リニューアルオープンした「フードD生鮮市場澄川店」は、1985年12月にオープンした豊月の2号店。オープン当初は「豊月澄川店」だったが、時代の変化に合わせて、店舗の名称を変更して改装を繰り返し、「フードD2」、「フードD澄川食彩館」、「フードDザ・プライス」、2014年4月からは「フードD365OASIS店」として展開してきた。しかし、その後、苫小牧市内に「マックスバリュ」や「トライアル」の進出が相次ぎ、流通環境が変化してきたことから、生鮮食品をさらに強化して、グローサリー食品や日配品を、より低価格で販売する「ロピア」に近いMD(販売政策)を導入することにした。

(写真は、青果コーナー)
(写真は、精肉コーナー)

 これまでに、建て替えを見据えて、同店周辺の土地買収を進めてきたが、建築費の高騰でリニューアルと一部増築に変更、今年7月7日から休業して、工事を進めてきた。内外装を一新するとともに、冷ケースや什器を全面入れ替え、トイレの移設改修も行った。投資額は約4億5000万円。

 この日、店頭には100人以上が並び、9時半のオープンを待った。混雑を避けるため、店内の入場制限を行うなど買い物客で賑わった。店内の青果コーナーは従来比2倍、精肉コーナーは1・5倍とし、元々強みのある鮮魚コーナーも冷ケースなどを増やした。店舗面積約500坪は変わらないが、生鮮食品の売り場は、700坪級のスーパーと同等以上の品揃えになっている。

(写真は、「惣菜コーナー」)

 豊月の豊岡憲治会長・CEOは「この店は、成長の原点になった店。新たな挑戦をこの店から始めて、他店舗に横展開する実験店と位置付けてきた。今回の生鮮市場への転換により、生鮮比率を5割から6割近くに高め、その利益を源泉にグローサリー、日配品を低価格で販売する。売り上げは倍を狙う」と強気に話した。この店舗が軌道に乗れば、他店舗も「生鮮市場」にリニューアルしていく考え。

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