コープさっぽろ(本部・札幌市西区)は、苫小牧市沼ノ端地区に新規出店する。「フードD」や「マックスバリュ」が集積する地区で、新店舗は「フードD」の真正面に当たる場所。苫小牧市内で人口が増加する沼ノ端地区で、食品スーパーマーケットのせめぎあいが激しくなる。(写真は、コープさっぽろが出店する苫小牧市北栄町1丁目の敷地の一部)
コープさっぽろが出店するのは、北栄町1丁目17-5、23-1。豊月(本社・苫小牧市)が展開する「フードD365沼ノ端店」(北栄町1丁目24-5)の沼ノ端北大通を挟んだ、ほぼ真正面に当たる。「西松屋苫小牧沼ノ端店」や「ツルハドラッグ沼ノ端北店」なども集積している。苫小牧東京重機(同・苫小牧市)やマルシン産業(同・札幌市北区)の所有する土地を賃借して、自前で店舗を建設する見通し。店舗面積は約700坪で、2024年秋にオープン予定。
コープさっぽろは、道央市民生協(本部・苫小牧市)を事業承継した際に店舗も承継し、現在は、苫小牧市内に5店舗を展開している。かつては、地域で食品スーパーマーケットのトップシェアを占めていたが、近年はイオン北海道(本社・札幌市白石区)の「マックスバリュ」が積極出店、現在は6店舗(イオン苫小牧店を除く)を展開しており、秋口には、さらに1店舗をオープンさせることになっている。こうした状況からシェア奪還の目的もあって、「人口増が続く沼ノ端地区へ出店を決めた」(コープさっぽろ小松均常務理事)。道央市民生協承継後の初の新規出店となる。
迎え撃つことになる「フードD365沼ノ端店」を展開する豊月は、「スーパーが集積することで、この地区への来店客も増える。影響は出てくるが、新たなお客も呼び込める。強みを生かした展開で差別化していきたい」(前谷光廣取締役)としている。「スーパー」の前に「スーパー」が出店するケースは珍しい。人口が増加している、沼ノ端地区ならではの出店スタイルと言えそうだ。