農協系スーパーマーケットが、2024年3月中旬に相次いで閉店する。勇払郡むかわ町の「エーコープセレス店」と中川郡本別町の「エーコープ本別店」の2店舗で、いずれも売り上げ減少と店舗の設備機械の老朽化が要因。(写真は、農協系スーパーマーケットの看板)

 農協系食品スーパーマーケットは、単位農協が展開している「Aコープ」と、ホクレン(本所・札幌市中央区)子会社のホクレン商事(本社・同市北区)が単位農協から経営を引き継いで運営している「エーコープ」に大別できる。いずれの店舗も、単位農協の本所に隣接する形で展開しており、売り場面積も平均すると200坪弱と小さい。

 地方の人口減少による売り上げ減に加えて、ドラッグストアの出店などによる競争激化、さらに店舗老朽化によって農協系スーパーマーケットの閉店が数年来続いている。昨年だけでも、3月末の「Aコープてしお店」(天塩郡天塩町)、4月末の「Aコープ上厚真店」(勇払郡厚真町)、10月中旬の「エーコープしべちゃ」(上川郡標茶町)などが閉店した。

 今回の「エーコープセレス店」(売り場面積約380坪)と「エーコープ本別店」(同170坪)は、JAむかわ、JA本別町がそれぞれ所有する店舗をホクレン商事が運営しているが、両店ともに売り上げ減とともに店舗や冷凍・冷蔵ケースなど設備機械の老朽化が要因。これら設備の更新には数千万円から億単位の資金が必要で、こうした投資をしても回収の見込みが立たないため、閉店を選択せざるを得なかった。むかわ町では、JAとまこまい広域の「Aコープほべつ店」が、2022年1月に閉店している。
 JA本別町は、閉店後に建物を解体して新たな利用方法を検討しており、JAむかわは閉店後に新たな物販店舗の導入を検討しているという。農協系スーパーマーケットの試練が続きそうだ。


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