ダイイチ(本社・帯広市)は2024年1月19日、退店する「イトーヨーカドー帯広店」の後継テナントとして、不動産所有者の日本甜菜製糖(同・東京都港区)と具体的協議に入ったと発表した。出店予定時期は2024年夏以降としており、「イトーヨーカドー帯広店退店後、極力早期出店を目指す」としている。(写真は、「イトーヨーカドー帯広店」)
「イトーヨーカドー帯広店」などが集積している「ニッテンスズランプラザ」は、日本甜菜精糖が旧帯広精糖所跡地を活用して、1998年に整備した大規模ショッピングセンター。逐次、規模を拡大し、大和リース(本社・大阪市中央区)の「フレスポニッテン」も加わり、帯広市郊外の一大商業ゾーンを形成している。
「イトーヨーカドー帯広店」は、2024年6月末に閉店することになっており、その跡利用について関心が高まっていたが、イトーヨーカ堂(本社・東京都千代田区)と資本業務提携しているダイイチが、名乗りを上げることになった。
首都圏に経営資源を振り向けるイトーヨーカ堂は、道内店舗の閉店を具体的に進めている。2021年5月に閉店した「イトーヨーカドー旭川店」(旭川市)跡には、トライアルカンパニー(本社・福岡市東区)が入ったが、今回の「帯広店」に関しては、資本業務提携先で地元に本社があるダイイチが手を挙げることになった。
関係者によると、「帯広店は採算が取れている店舗。ダイイチが出店意思を示さなければ、他のスーパーが入る可能性があった」としており、ダイイチの出店は防衛的な意味合いもありそう。ダイイチは、帯広圏で9店舗を展開しており、出店が決まれば、店舗再編の可能性も出てきそう。
ダイイチの賃貸予定面積は、イトーヨーカドー帯広店1階の食品スーパーマーケット区画で、面積はバックヤードを含めて約1212坪(約4000㎡)。ダイイチは、イトーヨーカドーが出店予定だった「ココノススキノ」地下1階に2023年11月30日に「すすきの店」を出店しており、店舗戦略のヨーカドーシフトが目立っている。