「イトーヨーカドー北見店」(北見市光西町185)が、2024年8月末に閉店する見通しだ。首都圏重視を掲げるイトーヨーカ堂(本社・東京都千代田区)の地方店舗見直しの一環で、2024年6月末の「帯広店」(帯広市稲田町南8線西10-1)に続く閉店となり、道内の「イトーヨーカドー」は、札幌市内の4店舗のみになる。(写真は、「イトーヨーカドー北見店」)
「イトーヨーカドー北見店」は、地元の不動産会社、博泉が1985年3月に建物を竣工させ、「イトーヨーカドー」がテナントとして入ってオープンした。2000年9月に当時のマイカル北海道(現イオン北海道)が「北見サティ」(現イオン北見店)をオープンさせるまでは、北見市内唯一のGMS(総合スーパー)として、地域の買い物需要を支えていた。
スーパーマーケット業界では、道北アークスの誕生やトライアルカンパニー、業務スーパーの出店など消費環境は大きく変化、「イトーヨーカドー北見店」の存立基盤は揺らいでいた。
「イトーヨーカドー」の道内店舗の閉店は、この10年間を見ても2013年9月16日の「新川店」(札幌市北区)、2019年1月20日の「釧路店」(釧路市)、同年9月29日の「恵庭店」(恵庭市)、2021年5月9日の「旭川店」(旭川市)、2022年7月3日の「函館店」(函館市)と続き、「帯広店」も2024年6月末の閉店が決まっている。「北見店」の動向も注目されていたが、「帯広店」の閉店から間を置かずに閉店することになった。
土地建物は、博泉から2017年9月に大和情報サービス(現大和ハウスリアルティマネジメント)に移っている。同社は、商業施設の管理運営も行っており、道内では、「アクロスプラザ南22条」(札幌市中央区)など8施設の管理運営を行っている。北見市内では、「アクロス北見」(桜町6丁目2-10、スーパーアークス・DCM・ツルハドラッグが集積)を展開している。
「イトーヨーカドー北見店」の閉店が明らかになる以前、辻直孝市長はこう述べていた。「地域で頑張っているヨーカドーさんには残っていただく方向を願うしかない。1階の食品売り場は、全道的にもしっかり営業していると聞いている。いろいろな見直しがあるかもしれないが、何とか頑張って残していただきたい」。
イトーヨーカ堂は2016年10月、北見市と地場産品の販路拡大・地産地消に係る連携協定を締結している。北見市産の農林水産物・加工品などのPRや販路拡大、地産地消の活性化を図るのが目的だが、今回の閉店によって協定は白紙に戻りそう。