2023年8月31日に61年間の営業を終了した函館市の「テーオーデパート」が、大阪市の不動産事業者、トライアングル(本社・大阪市中央区)に売却される。テーオーホールディングス(同・函館市)との間で同年10月31日に譲渡契約を行い、同年12月20日に物件を引き渡す予定。トライアングルは、スーパーマーケットを核にした商業施設にリニューアルして、2024年6月から8月にかけてオープンさせる予定。(写真は、2023年8月31日に閉店した「テーオーデパート」)
「テーオーデパート」は、テーオーホールディングスのグループ会社、テーオーデパート(同・同)が1962年にオープンさせた店舗。函館市の中心地、五稜郭梁川地区に位置し、ファッションから暮らしの品々まで幅広い世代のニーズに応える品揃えで運営してきた。近年になって少子高齢化による世帯数の減少が響き、徐々に売り上げが減少。コロナ禍が長期化し主力の衣料品販売も低迷、運営効率化を行ってきたが、今後の収益改善は難しいとして営業を終えた。
それから2ヵ月、「テーオーデパート」の土地(約1363坪=4497・93㎡)と建物(約5861坪=1万9343・60㎡)をトライアングルに売却することになった。売却額は非開示だが、テーオーホールディングスの譲渡益は5000万円になる予定。
トライアングルは、1992年1月の設立、資本金1000万円。関西を中心に不動産仲介や不動産開発・保有を行っており、直近の年商は約20億円。北海道の物件取得は、今回が初めて。同社の竹内健一社長は、「函館は、北海道新幹線の札幌延伸に伴い発展の余地がある。また、インバウンド需要も高く、函館の地域経済に貢献できるような商業施設をつくりたい。地域の要望が多いスーパーマーケットを核店舗として導入し、眺望の良い上層階には地元函館のワインが飲めるレストランを誘致、行政にも空間を提供したい」と話している。
トライアングルは、商業コンサルティング企業と連携して、空き店舗となっている函館市内のもう一つの大型店の利活用も検討している。