アークス2024年2月期第2四半期、古川公一副社長「増収増益で良い状況だが、下半期は身構える」

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 アークス(本社・札幌市中央区)の2024年2月期第2四半期(2023年3月1日~同年8月31日)連結決算は、売上高2922億100万円、営業利益79億3500万円、経常利益88億1000万円、純利益57億9900万円となり、前年同期間比3・9%の増収、7・1%の営業増益、6・8%の経常増益、5・1%の純利益増になった。売上高は、上半期で過去最高となった。(写真は、2024年2月期第2四半期決算を発表するアークス・古川公一副社長)

 通期は増収減益の予想だが、「上半期は増収増益となり、かなり良い状況で進んだ」(古川公一・アークス副社長)とし、通期の増収増益に含みを持たせた。節約志向が高まっている中で、既存店客数は前年同期間比1・1%増、既存店客単価は2・4%増、1人当たり買い上げ単価は6・7%増となった。1人当たり買い上げ点数は4・0%減少したが、既存店売上高は3・6%増になった。「既存店は、月を追うごとに客数、客単価ともに上昇しており、利益も順調に積み上がっている」と好決算だったことを繰り返した。

 営業面では、低価格で高品質なCGCグループのPB(プライベートブランド)を積極的に扱い、アークス全体で仕入れに占めるCGC商品は13・0%と前年同期間から0・2ポイント増えた。そのうち、ラルズのCGC商品仕入れは20%になっている。また、カテゴリーマネジメントや東北グループ各社で酒類の帳合統一も行い、粗利率の向上に取り組んだ。

 その結果、水道光熱費の上昇などによって、販管費が前年同期間より5・2%上昇して売上比で22・4%になったが、売り上げ増と粗利率向上策が奏功し、売上高粗利率は0・4ポイントアップの売上比25・1%となり、販管費の上昇を売り上げ増でカバー、利益増に繋げた。

 道内子会社の業績は、ラルズが726億100万円(前年同期間比5・0%増)、経常利益39億2000万円(同7・2%増)、福原が売上高213億6500万円(同2・8%増)、経常利益6億1500万円(同4・2%減)、道北アークスが売上高219億3700万円(同1・2%増)、経常利益2億5600万円(同21・9%減)、東光ストアが売上高199億2200万円(同2・4%増)、経常利益2億7900万円(同4・9%減)。

 下半期の業績見通しについて、「上半期と同じ状況が維持できる環境ではないだろう。パレスチナ問題などによって原油価格が不透明で、為替も流動的。経済環境、消費環境が大きく変化する可能性がある。下半期は少し身構えて見ている」(古川副社長)として据え置いた。期初の通期予想は、売上高5820億円(前期比2・8%増)、営業利益148億円(同0・2%減)、経常利益162億円(同1・5%減)、純利益は前期と同じ99億5000万円。

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