キリングループ北海道は、2013年事業方針を明らかにした。それによるとビール・発泡酒・新ジャンルは前年比1%減、ノンアルコール飲料で前年比11%増、RTD(レディ・トゥ・ドリンク=栓を開けてそのまま飲める低アルコール飲料)は前年比12%増が販売目標となっている。昨年、量販店などのPB(プライベートブランド)攻勢で第3のビールなど新ジャンルが一昨年比2%減となりキリンが火付け役だったノンアルコール飲料も20%減と大きく落ち込んだが、今年はそれぞれ7%増、11%増を見込んでいる。(写真は、キリングループ北海道の事業方針発表会=6日)
同グループの昨年1年間の販売状況は、ビール・発泡酒・新ジャンルが一昨年比3%のマイナス。内訳はビール2%減、発泡酒4%減、新ジャンル2%減だった。ノンアルコール飲料は20%減、RTDは6%増と唯一の成長部門だった。
キリンマーケティングの織田浩志北海道統括本部長によると、「アルコール飲料全体では全国とほぼニアイコールになり、ビール・発泡酒は全国よりも落ち込みは少なかった。ただ、新ジャンルでは量販店のPBの影響を強く受けて全国よりもマイナス幅が大きかった。成長市場の缶チューハイ、レディスドリンクなどRDT部門はプラス6%と好調だった」と振り返る。
新ジャンルのマイナス要因として織田本部長が強調したのは、食品スーパーやコンビニエンスストアでのPB、RB(リテールブランド)の大幅伸長。「NB(ナショナルブランド)の構成比が落ちたことと、もう一つは価格競争で少し後れをとったことが新ジャンルでのマイナス要因だった」(織田氏)
今年の商品戦略は、「一番搾り」、「淡麗グリーンラベル」、「のどごし生」を重点ブランドとし、成長カテゴリーであるRTDでは「氷結」を中心に資源を積極投入、ノンアルコール飲料は「キリンフリー」の味覚改善によるブランド活性化を図るとしている。
新ジャンルでは2月20日に新発売する「濃い味デラックス」のCMキャラクターに明石屋さんまを起用、一気にメインストリームに引き上げていく計画。また、ノンアルコール飲料は、キリンが業界で最初に投入したにも関わらず他社より遅れをとっているが、「ビールの代替飲料と位置付けてきたが、清涼飲料の代替飲料としての需要もある。そういう点では味覚に課題が残っているため、今年は抜本的に味覚を変えて市場に投入する」(織田氏)と言う。
グループ会社のメルシャンは、昨年ワイン市場が全国的に一昨年比110%と伸長したこともあり、メルシャン全国ベースでも113%、北海道は104・7%だった。「家庭用では国産、輸入ともにデイリーワインが好調だった。業務用は中価格帯が好調。特にスペインワイン『コドーニュ』が伸びている」とメルシャン桶本幸伸札幌支店長。
今年は、東北の国産ブドウを100%使用した東北・北海道でのエリア限定商品を販売するほか、数年ぶりに飲食店向け展示会を実施したり、一般向けのワインの教室などを実施してさらに伸長させていく考え。
また、グループの永昌源では、20代後半から30代の男性アルコールユーザー向けて甘さに特徴がある珈琲酒を3月27日に新投入、スイーツ男子の需要を捕捉していく。