サッポロビール北海道本社(本社・札幌市中央区)は、2017年(1~12月)のビールテイスト(ビール、発泡酒、第3のビール)事業を16年比101・7%にする。16年(同)は15年比102%だった。ワイン、スピリッツも前年超えを狙い16年と同様、酒類の全カテゴリーで増収増益を目指す。IMG_2210(写真は、サッポロビール北海道本社があるサッポロファクトリー)

 16年の北海道のビールテイスト市場全体は15年比99%だったが、サッポロビール北海道本社は、ビールテイスト部門が同101%と堅調に伸びた。16年の北海道のワイン市場全体も15年を割り込んだが、同本社のワイン部門は『テタンジェ』、『ペンフォールズ』など輸入ワインシリーズがそれぞれ3倍増、10倍増と牽引役となって15年を上回った。
 また、RTD(レディ・トゥー・ドリンクの略。栓を開けてそのまま飲める低アルコール飲料)などスピリッツ部門は、北海道全体の市場が15年比110%だったのに対して同本社は115%と市場の伸びを上回った。この結果、北海道本社のビールテイスト、ワイン、スピリッツの酒類事業全体で同103%になった。

 サッポロビールは、全社的に17年から20年まで4年間の中期経営計画を策定しており、『突き抜ける』をテーマに、10年後の酒税法改正を前に変化の激しい4年間でビール事業、ワイン事業、スピリッツ事業の拡大を図り基盤を固めることにしている。北海道は、サッポロビール発祥の地であり、北海道ではナンバーワンの総合酒類企業を目指すことが中期計画の柱。

 サッポロビール北海道本社は、17年にビールテイスト事業で16年比101・7%に伸ばす。内訳はビールが同104・2%、発泡酒は同89・3%、第3のビールは同99・4%とみている。ビールは、『黒ラベル』が4月に発売40周年を迎えるため記念キャンペーンなどを積極的に進める。『クラシック』は、16年連続売り上げ増の勢いを堅持、北海道の四季に合わせて販促を行い、ミツカンなどの企業とコラボレーションすることで売場の棚を新たに確保していく。

『エビス』は、プレミアムモルツを抜いてプレミアムビール市場では道内トップ。「北海道でのエビスのマーケットはまだまだチャンスがある」(同本社関係者)としており、3月には豊かな香りを生む酵母を使ったホワイトビール『エビス 華みやび』を発売しエビスの新しいストーリーを作るとしている。
 第3のビール『麦とホップ』は、生活に密着したブランドとして引き続き強化するが、1月末の『The gold』リニューアルのタイミングで販促を強化していく。

 ワイン事業は、日本ワイン『グランポレール』の北海道シリーズに注力して、同本社悲願のワイナリー建設に向けた道筋を作る。昨年好調だった『テタンジェ』、『ペンフォールズ』を引き続き伸ばしていくほか、デイリーワインとして『イエローテール』もきっちりと伸ばす考え。
 スピリッツに関しては、ブランドの見える化を推進して訴求力を強めるほか、4月25日には『ナポリンサワー』を発売して楽しさも提供していく。ワイン・スピリッツ部門で16年比105%を目指し、17年も酒類全カテゴリーで増収増益を目指す。



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