北海道味の素(本社・札幌市西区)と北海道文教大学(恵庭市)、ラルズ(本社・札幌市中央区)の三者が、減塩や野菜摂取に関心を持ってもらおうとレシピコンテストを開催した。昨年に続く2回目で、管理栄養士を目指す道文教大の学生が、味の素の調味料を使ったレシピを提案、審査で選ばれた優秀8メニューのレシピをラルズが展開する食品スーパーのクッキングインフォメーションやチラシで紹介した。(写真は、11月2日に北海道文教大学で行われた食と健康レシピコンテストの表彰式=北海道味の素提供)
道味の素は、2003年に分社化し今年で20年になる。北海道出身者が全従業員の8~9割を占めるなど、今や道産子企業と言えるほど地域に根付いている。そんな道味の素が地域に貢献する目的で昨年から始めたのが、三者連携によるレシピコンテスト。
道味の素は、大学や高校で食に関する出前講義などを行っていたが、それらは要請があれば行うスポット的なものだった。コロナ禍に入り、北海道栄養士会を通じて学費に窮する学生たちに、試供品提供の要望が来た。同社はその要望に対応したが、普段は食品メーカーと学生が接点を持つことはない。せっかくの繋がりを太くできないかと、道栄養士会に相談したところ、管理栄養士を目指す学生たちとの連携を助言された。道味の素は、その助言をもとにレシピコンテストという形で、健康栄養学科のある道文教大、ラルズと組むことにした。
昨年は、道文教大の夏季休暇の自由課題として、味の素が進めている「スマ塩」(スマートソルトのことで、うま味やだしをきかせるおいしい減塩プロジェクト)をテーマにレシピコンテストを実施。応募レシピ30メニューの中から優秀3メニューを、ラルズの食店スーパー店頭で紹介した。
今年は、道文教大の必修科目講義に組み込まれ、2年生、3年生は「スマ塩」、1年生は「ラブべジ」(野菜摂取1日350g以上の実践を応援する味の素のプロジェクト)をテーマに、約350人の学生たちが味の素の調味料を使ったレシピを提案。一次審査で「スマ塩」は15メニュー、「ラブベジ」は10メニューに絞り込んだうえで、ラルズの会議に合わせて幹部ら30数人が昼食時に実際に試食。その結果、「スマ塩」5メニュー、「ラブベジ」3メニューを最終選考した。
優秀8メニューのうち、「スマ塩」5メニューは、クッキングインフォメーションのあるスーパーアークスなど22店舗で11月22日から数週間、ボードで紹介するとともに小冊子にして配布している。「ラブべジ」3メニューは、2023年1月に同様の公開をする。減塩を感じさせない料理や電子レンジで玉ねぎ1個をそのまま使う時短料理など、若者らしいユニークなメニューとなっている。
ラルズの猫宮一久社長は、「学生たちの頑張りを応援する一環として連携して取り組むことにした。食を通じて地域と繋がるために、今後も開催したい」と話す。道味の素の内田孝・家庭用部係長は、「健康を軸にしたレシビ提案の他に、道産食材などを利用したレシピ提案なども今後進めていきたい」と話している。道文教大では人材育成にも繋がるだけに、レシピコンテストの意義は大きいと捉えている。食品メーカー、食品スーパー、大学が三者一体となったレシピコンテストは、さまざまな相乗効果をそれぞれにもたらしている。
■優秀メニュー
「スマ塩」レシピ▷主食部門 宮部穂乃香さん「ガパオライス」▷主菜部門 本間紗吏衣さん「ねぎ塩レモンチキン」▷汁物部門 佐藤七海さん「野菜のカレースープ」▷副菜部門 小林凛さん「ガリバタ新玉スープ」▷AJIテク部門 太田花梨さん「簡単揚げてる風餃子」
「ラブベジ」レシピ▷三分一未久さん「レンジで簡単!新玉ねぎの丸ごとチーズ蒸し」▷小川芽依さん「まるこどパプリカのチーズ焼き」▷北村知里さん「野菜のポタージュ」