アークス(本社・札幌市中央区)、バローホールディングス(同・岐阜県恵那市)、リテールパートナーズ(同・山口県小郡市)の3社が、2018年12月にスタートさせた「新日本スーパーマーケット同盟」の提携進捗状況が開示された。結成から3年、原価低減やコスト削減などに着実な成果が上がっているとしている。(写真は、札幌市中央区のアークス本社)
提携推進委員会の傘下に商品分科会、運営分科会、間接部門分科会、次世代領域開発分科会の4つの分科会を設置して取り組みを進めている。原価低減の取り組みでは、3年間の3社共同仕入れ額は241億円となり、原価低減額は合計で12億3000万円になった。共同販促「No.1プロジェクト」では、「ポッキー」や「黄金の味」など6企画品目が仕入れ実績日本一を達成、生鮮食品の共同調達・拡販では、輸入商材の共同調達による原価低減のほか、各社の地域性のある商材の共同拡販などを実施した。3年間に共同調達を行った輸入商材は14アイテム、地域性のある商材の共同拡販は13アイテムとなった。
コスト削減の取り組みでは、業務用洗剤やユニフォーム、その他消耗資材などの資材調達を対象に取引先と交渉、3社によるコスト削減高実績は3ヵ年で6億3000万円となり、2021年度の交渉対象商材仕入れ高の11・1%になった。消耗資材・什器備品については今後予測される原材料全般の値上がりに対応して、値上げ幅を最小にすべく同盟として交渉に取り組む。
間接部門では、管理部門のコスト削減を図っており、WEBによる年末調整や給与明細の電子化、棚卸書籍の電子化、ワークフローシステムやRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)導入などによる業務合理化によって、同盟3社の3ヵ年のコスト削減額は1億円になった。
同盟では今後の活動として、スマートストアの実現や同盟のノウハウを活用した物流戦略、アークス基幹システムの共有による投資削減、SDGsの取り組みを進めていく。スマートストアに関してリテールパートナーズがトライアルホールディングス(本社・福岡市東区)と連携、スキャン機能など各種機能を搭載したタブレット付きレジカードを一部導入、レジ業務効率化を進めている。