「新日本スーパーマーケット同盟」、2年目の提携進捗状況を報告

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 アークス(本社・札幌市中央区)、バローホールディングス(HD、同・岐阜県多治見市)、リテールパートナーズ(同・山口県防府市)の3社による「新日本スーパーマーケット同盟」が結成されて2年、3社はこの同盟の提携進捗状況をこのほど開示した。(写真は、アークス本社=右とラルズ本社=左)

 新日本スーパーマーケット同盟は2019年1月に提携推進委員会をスタートさせ、4つの分科会(商品分科会、運営分科会、間接部門分科会、次世代領域開発分科会)を設置して取り組みを進めている。20年度はコロナ禍で活動が制約されたが、提携効果は着実に創出できたとしている。

 商品分科会では、メーカー各社と菓子・加工食品等の限定商品の販売や3社による生鮮食品の共同調達・販売、デリカ部門の共同開発、食品製造業への共同出資などを行った。このうちデリカ商品として「芳醇カニクリームコロッケ」を共同開発、10月1日から販売(製造はヤヨイサンフーズ=本社・東京都港区)したほか、食品製造業への共同出資では、レンコンの産地として有名な佐賀県杵島郡白石町の有限会社白石罐詰工場にバローHD、リテールパートナーズが出資。リニューアルした商品を、バローHD傘下237店舗、リテールパートナーズ傘下213店舗で販売、今後はアークスでも販売する予定。

 運営分科会では、すべての消耗資材、什器備品を対象に共同商談によるコスト改善を達成。間接部門分科会では、人材採用や人材教育の関するノウハウの共有、バックオフィス業務の共同研究を進めており、①先行するアークスのHACCP基準のバローHD、リテールパートナーズへの水平展開を通じた生産性向上②コロナ対応の情報共有、対応力向上トレーニングのWEB開催③女性店長・店長代理とその上司によるオンライン座談会開催ーーなどを進めた。

 次世代領域開発分科会では、店舗運営コスト低減に向けた共同研究、金融・決済事業の共同運営の検討、スマートストアなどの共同研究を進めた。店舗運営コスト低減化に向けて電子棚札の本格導入を検討、コロナ禍の非接触購買に対応してリテールパートナーズ(丸久=本社・山口県防府市)が試験導入しているレジカートシステムの検討、アプリを通じた販促機能の拡充などデジタルシフトの推進も進めている。

 3社は今後も、経営資源や経営ノウハウを有効活用、地域に密着した独立系スーパーの結集軸として新日本スーパーマーケット同盟のメリットを創出していくとしている。

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