ツルハHD鶴羽順社長インタビュー「異業種のM&Aも視野」「北海道500店舗体制に」

流通


 ーードラッグストアと食品スーパーは、業界の垣根を超えて競合が始まっています。異業種との連携についてはどう考えますか。

 鶴羽 食品スーパーとは互いにメリットになるのであれば、いろいろ話を聞きたいし、連携の可能性としてはどんな企業でもオープンに考えています。私たちの商売はラインロビングが大切で、いかにカテゴリーを増やしていくかが基本です。医薬品と化粧品しか置いていなかった薬局が、日用雑貨を増やしてホームセンター商材も置き、食品も置くということで今のドラッグストア業態ができました。ドラッグストアとして、まだお客さまを呼び込めていないカテゴリーがあると思います。そういった面を補完できるのであれば、そういったところと一緒になるメリットはあると思います。
 ウエルシアホールディングス(本社・東京都千代田区)が、福井県のホームセンターみつわと資本業務提携をしましたが、とても興味深いですね。私たちに今、何かあるわけではないですが方向的には興味があります。

 ーーM&Aは得意中の得意ですからね。

 鶴羽 M&Aについては、私が直接関わってきたわけではありませんが、担当取締役や会長が中心になって各事業会社を尊重して競争力のある企業と一緒になってきました。そういった今までのM&Aのやり方を継承しつつ、それらをドラッグストア以外の業界にも生かせるのではないかと思います。大きいM&Aもあるでしょうし、小さな譲渡から発展することもあるでしょうから、ケースバイケースで取り組んでいきます。

 ーー数多くのM&Aをしていますが、いつも主導権を取ることができるのはなぜでしょうか。

 鶴羽 人間関係とか独特なものがあるのではないかと思います。会長のリーダーシップ、人柄もあるのでしょう。一緒になった経営者たちとは、一見ばらばらに見えても心は一緒です。ツルハグループには、独特の雰囲気があるのでしょう。あまり強制的にツルハ色に染めないということもあると思います。ある意味、良いさじ加減なのではないでしょうか。

 ーーイオンが発行済株式の13%を持っていますが、今後については。

 鶴羽 イオンは、大株主という立ち位置です。情報交換はしていますが、特に経営についての関与は何もありません。一部店舗では、イオンのドラッグストアチェーン向けのプライベートブランド(PB)『ハピコム』の医薬品や食品PBの『トップバリュ』を扱っています。イオン系のドラッグストアチェーンのウエルシアHDとは競合しています。イオンとの関係は今のところ変える予定はないですね。

 ーー先ほど言われたITの活用についてはいかがですか。

 鶴羽 デジタル化については、当社はあまり進んでいなかった。まずは、ツルハのポイントカード会員をスマートフォンのアプリに移行して、会員データを有効活用したい。今までのカードではお客さまとの繋がりが十分ではありません。ポイントカード会員をアプリ化することで店舗から会員にお得な情報をダイレクトに伝えることができるようになります。それを軸に、ある程度実ってきたら様々な販促策が広がっていきますから、そこを早く手掛けたい。

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