札幌市に本社を置く株式上場スーパーの2020年5月度売上高前年比が出揃った。コロナ下での巣ごもり需要の拡大で、各社とも前年同月を超え堅調に推移した。また、前年5月よりも暦の関係で土曜日と日曜日が1回多いことも追い風になった。(写真は、函館市内の「スーパーアークス港町店」)
アークス(東証1部・札証、昨日の株価2153円、本社・札幌市中央区)は、既存店売上高が前年同月比110・8%、全店売上高が同111・1%で二ケタ増を記録した。昨年9月以降、既存店、全店共に前年割れを続けていたが、コロナによる外出自粛などが始まった今年2月から前年を超えるようになり、5月度で4ヵ月連続の前年超えとなった。
客数は既存店が同96・8%、全店が同97・1%。客単価は既存店が同114・5%、全店も同114・5%になった。いわゆる3密を避けるため、買い物頻度が下がり1回の買い物点数が多くなる傾向が続いている。
イオン北海道(東証1部・札証、昨日の株価815円、本社・札幌市白石区)は、既存店売上高が前年同月比100・9%、全店売上高は同177・1%になった。既存店売上高は、旧イオン北海道と旧マックスバリュ北海道の既存店売上高を合算したものと新生イオン北海道の既存店との比較。全店売上高は、旧イオン北海道と旧マックスバリュ北海道を統合した新生イオン北海道の全店売上高を、前年の旧イオン北海道と比較したもの。
衣料部門は、売り場の時短営業があったことや外出自粛などの影響で既存店は同61・3%、全店は同62・2%だった。4月よりもマイナス幅は縮小しているが厳しい販売状況が続いている。
食品部門は、内食化の傾向が引き続き顕在化しており既存店は同107・2%、全店は同234・5%になった。「マックスバリュ」「ザ・ビッグ」の業態は大きく伸長、「イオン」も回復している。また、小型食品スーパーの「まいばすけっと」も既存店は前年を超える水準をキープ。住居余暇部門は、ミシンやパズル、ゲームソフトといった家庭内で過ごす時間が長くなったことを反映した消費財が伸びた。H&BC(ヘルス&ビューティーケア)も戻り傾向にある。客数は前年を若干下回り、客単価は上昇している。
北雄ラッキー(東証ジャスダック、昨日の株価2870円、本社・札幌市手稲区)は、この1年間に新規出店や閉店がなかったためオール既存店扱い。それによると、売上高は前年同月比103・9%。前年超えは今年2月から4ヵ月連続。食品分野は同106%だったが、衣料分野が同75%で全体の伸びを抑えた。部門別では、惣菜は前年を割ったが青果、精肉は好調で、水産も5月は前年を超えた。客数は、同91・0%、客単価は同114・2%になった。