余市郡余市町発祥で札幌市内に最後まで残っていた食品スーパー「スーパーチェーンシガ」の屋号が、間もなく消える。3月20日(金)、唯一の店舗だった「スーパーチェーンシガ真駒内店」が改装され、「ラルズマート真駒内上町店」に生まれ変わるため。老舗スーパーの屋号は令和の時代に静かに幕を閉じる。(写真は、「スーパーチェーンシガ真駒内店」=2016年1月15日午後撮影)
「スーパーチェーンシガ」は、1956年に設立された有限会社丸しめ志賀商店(余市町黒川町)を源流とするスーパーで、81年にチェーン展開のために別会社として株式会社丸しめ志賀商店が設立され、余市町や小樽市で「スーパーチェーンシガ」を展開。96年には石狩市に進出、2000年に「伏見店」(中央区)で札幌に本格進出した。
最盛期は14店舗、売上高130億円を達成したが、加盟していた共同仕入れ会社、北海道CGC(札幌市豊平区)から脱退、商品調達が難しくなり徐々に売り上げも減少。2016年2月5日付でラルズ(本社・札幌市中央区)が13店舗を事業承継した。
ラルズは、「スーパーチェーンシガ」の屋号を継続、改装のタイミングで「ラルズマート」や「スーパーアークス」に転換してきた。18年7月12日には余市町の3店舗を「ラルズマート」に転換、「スーパーチェーンシガ」の屋号を持つ店舗は「真駒内店」のみとなっていた。同店は「ラッキー衣料真駒内店」跡に、丸しめ志賀商店が06年10月にオープンさせた店舗。
改装に伴い17日(火)午後3時で閉店、2日間休業して20日「ラルズマート真駒内上町店」としてオープンする。食品スーパーは地域住民にとって身近な存在で、その屋号は親しみを持って受け止められている。最後まで残っていた「スーパーチェーンシガ」の屋号が消えゆくことに、一抹の淋しさを抱く常連客もいることだろう。