アサヒビール(本社・東京都墨田区)とアサヒビール北海道統括本部(札幌市白石区)は、同市中央区の札幌プリンスホテル国際館パミールで「2020年アサヒビール方針説明会」を開催した。(写真は、2月18日に開催されたアサヒビール2020年方針説明会後の懇親会でのフォトセッション。右からアサヒビール専務営業本部長・濱田賢司氏、アサヒビール理事北海道統括本部長・門田高明氏)
最初にアサヒビールの濱田賢司・専務営業本部長がアサヒビール全社の方針を説明。酒類市場の見通しは飲酒人口の減少に加え1人当たり消費量も減少、前年比2%程度のマイナスになると想定。26年のビール類酒税一本化に向けた第1弾の税制改正が10月に控えており、「ビールに追い風となるが新ジャンルにはブランド力が試される。価格と価値を消費者は今まで以上に厳しい目で取捨選択するようになる」(濱田氏)と述べた。
その上で、「ビール業界は数量シェアや販売箱数に固執してきた歴史が長く、他社との競争を意識するあまりお客さまや提供すべき価値を見失うことが多々あった。我々が競うべきはお客さまの満足や感動の追求。期待を超える美味しさの創出に向けた潜在ニーズの具現化に取り組む」と話した。
20年はビール類では、『スーパードライ』に経営資源を集中、ブランド価値強化に取り組む。桜の季節には特別パッケージで若年層や女性層をターゲットに飲用シーン訴求。タイミングに合わせてお客と『スーパードライ』の接点を拡大して既存ユーザーのロイヤルティーを高める提案とともに新規ユーザー拡大に取り組む。
翌日出荷の『鮮度実感パック』は4月末からデザインをリニューアル、今年は合計6回発売する。『アサヒスーパードライ ザ・クール』は、20歳から34歳の若者160万人の認知獲得を目指し、約50万人に飲んでもらう目標を掲げ販促ツールを拡充。コンセプトショップの展開や若者が集まる音楽フェスなどのイベントに出店し、デジタル販促を含めたブランド認知拡大に取り組む。
新ジャンルは10月の酒税法一部改正で生き残りをかけた厳しい競争の第一弾が幕を明けるため、『クリアアサヒ』を中心に主力定番ブランドの強化とお客の飲用シーンに合わせたポートフォリオを再定義して提供価値の向上を図る考え。
「昨年発売した『極上〈キレ味〉』については3月上旬の製造分よりキレ、刺激といった商品特徴をそのままにしてより爽快な視覚性をアップする。本年の新たな提案としてプレミアムビールのようなコクと本格的な味わいを目指した『アサヒ ザ・リッチ』を3月から新発売。新ジャンルの価格上昇が見込まれる中、価格以上の価値を実感してもらえる味わいを実現した商品」と強調した。