あと1ヵ月もすれば雪解けが進み入学シーズンになる。新1年生たちがランドセルを背負い、通学する風景を道内のあちこちで見かけるようになる。そのランドセルに「交通安全」の黄色いカバーが付いているのを見た人は多いだろう。コープさっぽろ(本部・札幌市西区)が全道各地の小学校に寄贈している交通安全の啓発カバーだ。新1年生やドライバーに安全を呼びかける恒例の取り組みで、今年も2月初旬からコープさっぽろは各自治体への寄贈を進めている。(写真は、千歳市へのランドセルカバー寄贈式。左から山口幸太郎市長、コープさっぽろ中島則裕専務理事、トドック)

 2月下旬から4月の入学式前までの1ヵ月強、コープさっぽろの宅配事業部の各地区担当者や本部の幹部たち、それに宅配事業のマスコットキャラクター「トドック」は全道各地の自治体首長たちを訪問するため忙しい時間を過ごす。19日午前、千歳市の山口幸太郎市長を訪問したのは中島則裕専務理事と「トドック」。今年は市内の新1年生たちに950人分のランドセルカバーを寄贈した。中島専務理事が市長に目録とカバーを贈呈すると市長は「いつもありがとうございます」とコープさっぽろに感謝状を手渡した。こうしたやり取りが全道で行われるのがこの季節の恒例行事だ。

 コープさっぽろがランドセルカバーの寄贈を始めたのは2010年から。全道179市町村を営業エリアとする宅配事業では毎週1回、利用している約34万世帯の組合員宅を必ず訪問する。その際には組合員の見守りも行っており、その一環として新入学児童の交通安全も地域の見守りに繋がるとして始めたものだ。

 12年までは毎年約3万枚を寄贈してきたが、13年からは少子化の影響もあって約2万枚になっている。11年目となる20年は道内133市町村の自治体に寄贈、各自治体にある581校に2万800枚が配布され、新入学児童たちのランドセルに取り付けられる。昨年からはデザインを一新、これまでの「トドック」に加え、移動販売車のキャラクター、北海道犬の「カケル」、配食事業のキャラクター、エゾリスの「クルリン」も加わりより愛らしさが増した。

 コープさっぽろでは、「私たちは宅配や移動販売、配食で車両の運転も行っており、新入学児童の交通安全をはじめ地域の安全を守ることを目的に今後も取り組みを継続していきたい」と話している。
※2020年2月21日記事一部修正しました。


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