ダイイチが14日、札幌証券取引所に重複上場し、上場通知書の交付式が行われた。ダイイチは帯広市に本社を置く食品スーパーチェーンで大証ジャスダック市場に上場しているが、札幌市内で3店舗を展開しており札幌での知名度向上と新たな株主を掘り起こす目的で札証上場を決めた。(写真は、上場通知書交付式。ダイイチ鈴木達雄社長=右と札証小池善明理事長)
有価証券上場通知書の交付式は午前11時30分から札証2階の会議室で行われ、ダイイチの鈴木達雄社長や札証小池善明理事長、札証会員になっている証券会社幹部らが出席。
小池理事長は、「ダイイチは、1958年に帯広フードセンターとしてスタートし、道内有数の食品スーパーチェーンに発展している。地域密着の強みを発揮して6期連続の増収増益を達成しており、大震災の復興などで景気回復の兆しが見える中で時宜を得た上場だ。この後も上場が続くことを期待したい」と語った。
また、ダイイチの鈴木社長は、「札証上場を機会に札幌でのIR含めて知名度向上に務め、札幌の株主を拡大したい」と述べた。
ダイイチは、食品スーパーの同業者団体「AJS(オールジャパンスーパーマーケット協会)」に北海道で唯一加盟している。AJSにはサミットや関西スーパーなど首都圏、関西圏の有力上場スーパーも加盟しており、月に1~2回は店舗運営の向上に向けた情報交換が行われており、ダイイチの店舗に高質感があるのはその成果だ。
ダイイチの店舗は帯広11、旭川8、札幌に3の店舗配置だが、「札幌では2~3年のうちに5店舗体制を築き札幌エリアで年間100億円を売り上げる」(鈴木社長)
現在は札幌3店体制で年間70億円を見込める段階まで来ているという。札幌市内4店舗と目されている豊平区月寒の出店について、「何も決まっていない」(鈴木社長)と答えた。
ダイイチの前9月期決算は6期連続増収増益で、今期も売上高316億5000万円、経常利益6億6000万円で7期連続増収増益は確実としている。
ジャスダックや東証など他市場に上場している道内企業の札証重複上場は、一昨年から札証活性化策として始められ、これまでにアークス(東証1部)、アインファーマシーズ(東証1部)、札幌臨床検査センター(ジャスダック)、サッポロドラッグストアー(同)、シーエスアイ(マザーズ)が札証重複上場している。