2019年も残り3ヵ月となったが、これから年内に札幌などオープンする食品スーパーは6店舗になる見通しだ。食品は10月1日の消費増税後も軽減税率が適用され、前回増税時のような消費の冷え込みはないもようだが依然として財布の紐はかたい。新規オープンする食品スーパーの勝算はどうか。(写真は、11月上旬にオープンする函館市内の「スーパーアークス日吉店」)
10月18日にオープンするのは、「コープさっぽろ中の島店」(札幌市豊平区中の島1条4丁目)。既存店舗の老朽化に伴う建て替え新店で隣接地に建設。平屋から2階建てになり、売り場面積も約727坪(約2386㎡)と1・8倍になる。既存店舗の売り上げが見込めるほか新店の集客効果で採算ベースに乗るのは早くなりそう。
10月下旬にオープンするのは、札幌市豊平区月寒東3条11丁目の商業施設「BRANCH札幌月寒」内の「スーパーセンタートライアル月寒店」。ディスカウントストアのトライアルカンパニー(本社・福岡市東区)が手掛ける店舗で、同社が大型商業施設の一角にテナント出店するのは珍しい。しかも、「BRANCH札幌月寒」は大和リース(本社・大阪市中央区)が手掛けるニューブランドのショッピングセンター。ディスカウント業態との相性がどうバランスするのか注目される。
新店舗の真正面には「コープさっぽろ月寒東店」があり、「スーパーアークス月寒東店」も近い。食品スーパーのトライアングルゾーンとして価格競争、集客競争は必至。
11月1日にオープンするのは「業務スーパー岩見沢店」(岩見沢市5条東6丁目)。既存のツルハ店舗とのコンビネーション店舗で道内の「業務スーパー」3店舗を手がけるケヒコ(本社・横浜市神奈川区)が賃借出店。こちらの店舗も低価格が売り物でツルハとの相乗効果も期待できそう。
11月上旬には函館市日吉町4丁目に「スーパーアークス日吉店」がオープンする。市営住宅団地跡7・5haを利用した福祉コミュニティエリアの一角で既に隣接の「ツルハドラッグ日吉店」が18年10月に先行してオープンしている。
同店を展開するのは道南ラルズ(本社・函館市)。店舗面積は約450坪(約1500㎡)と同社の店舗の中でも小さい規模。土手光三社長は、「函館の北側に位置し周辺は住宅街で店舗が少ない立地。昨年10月から稼働したデリカセンターを活用して小さい面積でも品揃えを増やしニーズに応えていきたい」と話す。
11月中旬には札幌市中央区南22条西7丁目に複合ショッピングセンター「アクロスプラザ南22条」が開業し、その中のC棟に「北海市場山鼻店」が入る。売り場面積は約295坪(976㎡)。モリワキ(本社・札幌市西区)が展開する「北海市場」は市内に5店舗があり生鮮を中心に人気が高い小型スーパー。キャッシュレス5%還元の加盟店にもなっており、焼きたてパンの「どんぐり」や「サツドラ」なども同時期にオープンすることからショッピングセンターの高い集客力を生かした収益店舗になりそうだ。
同じく11月中旬にオープン予定の店舗が「コープさっぽろ新琴似店」(札幌市北区新琴似1条11丁目)。こちらも「中の島店」と同様に既存の「新琴似南店」が老朽化しているため移転新築するもので、既存店舗から西に約1㎞離れた立地。旧近藤牧場跡地を利用、建築基準法48条但し書きを利用して用途制限をクリアした。売り場面積は約645坪(2129㎡)で売り場面積が拡大。既存店舗の組合員利用が見込めるほか新規組合員の集客も期待できそうだ。