トライアルカンパニー(本社・福岡市東区)が10月下旬、札幌市豊平区月寒東3条11丁目にディスカウントストア(DS)業態の「スーパーセンタートライアル月寒店」を出店する。大和ハウス工業(同・大阪市北区)グループの大和リース(同・同市中央区)が整備した複合商業施設「BRANCH札幌月寒」の核テナントとして出店するもので、周辺の食品スーパーでは価格競争が一段と激しくなりそうだ。(写真は、2018年10月にオープンした「スーパーセンタートライアル小樽朝里店」)
「BRANCH札幌月寒」は、北海道立産業共進会場跡地を利用した複合商業施設で、体験型施設や交流スペースを設けた地域のコミュニティを育む拠点がコンセプト。7月19日に一部先行オープンしたが、核テナントの食品スーパーやドラッグストアの進出が決まらずグランドオープンが遅れていた。
大和リースの「BRANCH」シリーズは、大きく広がる木の枝をイメージして地域のコミュニティを育む拠点と位置付け、生活利便施設や体験型施設、交流スペースを設けた新しい形態の複合商業施設で、「札幌月寒」を含め全国8ヵ所展開している。「札幌月寒」の核テナントとして食品スーパーを導入することになった時点で道内流通業界ではリーシングは難航すると見られていた。と、いうのも施設の真正面には「コープさっぽろ」があり、近くには「スーパーアークス」、さらに「ダイイチ」や「マックスバリュ」などが圏内にあってこの地区はまさに食品スーパーの激戦区だったからだ。
既存店の移転や本州系の進出などが囁かれ、一時は「ドン・キホーテ」の名も浮上した。結局、当初から有力とみられていた「スーパーセンタートライアル」がこの激戦区に進出することになった。同店は、食品から日用品、カー用品、家電製品、ペット用品、薬などを扱うDSで、食品は24時間営業。全国に234店舗(2019年3月末現在)を展開、北海道は地元福岡県41店舗に次ぐ23店舗を出店している。
オープンは10月下旬、消費増税が施行され各スーパーとも年末商戦に向けた準備を始めるころ。消費の先行きが見えてこない中、周辺の食品スーパーにはさらに不安定な要素が加わることになる。