北海道酒類販売(本社・札幌市北区)の小田彰社長(64)が退任し、伊関淑之(いせき・としゆき、57)専務が新社長に昇格する。小田社長が病気療養に専念するため。トップ人事は4月1日付。代表権のある綱島裕会長(69)は続投する。(写真は、伊関淑之氏)

 料飲店に強い小田社長は、2015年6月26日付で副社長から昇格。小田社長の昇格に伴って社長ポストを争っていた役員が子会社に転出、次期社長は伊関氏で耳目が一致していた。

 伊関氏は、1961年7月生まれ、苫小牧市出身。94年3月に北海学園大経済学部を卒業し同年4月北海道酒類販売入社。2003年4月店舗企画開発部長、05年10月執行役員店舗企画開発部長、07年6月取締役広域流通第二部兼店舗開発部長、10年4月常務、17年専務。

 伊関氏はチェーンストアに強く、「腰は低いが押しは強い」という人物評。北酒販の年商は約754億円(18年3月期)で、酒類85%、食品その他15%という内訳。食品や酒類の地場卸の多くが総合卸のグループ入りをしたが、北酒販は日本酒類販売と資本業務提携をしているものの独立性を保ち、地場専門卸の地位を確保している。

 専門卸から総合卸の流れの中で、北酒販もコンビニエンスストア向け酒類が減少したが、料飲店は小回りの利く北酒販に切り替える動きもあって業績を伸ばしてきた経緯がある。ただ、酒類市場は人口減少などによって縮小傾向にあり、北酒販も酒類以外の比率を伸ばしていくことが必要になっている。

 チェーンストアでは、コープさっぽろの酒類をほぼ一手に引き受けているほか、ツルハ向けにも圧倒的地位を保っている。非酒類も伸ばしていけるかどうか、チェーンストアに強い伊関氏の手腕に期待がかかる。


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