アークス(本社・札幌市中央区)は、バローホールディングス(同・岐阜県恵那市)、リテールパートナーズ(同・山口県防府市)と資本業提携を締結、地方のスーパーマーケット再編を募るプラットフォーム『新日本スーパーマーケット同盟』を構築した。一極集中の流れに歯止めをかけ、地方創生の核になる食のインフラを全国津々浦々に張り巡らせる魁(さきがけ)となるものだ。アークス・横山清社長への独占インタビュー最終回を掲載する。(写真は、2018年11月23日にオープンした「スーパーアークス新琴似店」で拳を上げるアークス横山清社長)

「セルフサービスという技術が、小売り・流通を変えていった。それがチェーンストアになり規格化、標準化が進んで生産性の向上、シェア拡大へと進んでいった。こうした動きと矛盾するところは『顧客第一主義』ということで補ってきた。けれども、例えばネットで安くて良いものがすぐ入ってくることも『顧客第一主義』だという風潮になってきた」

「でも、その時の『顧客第一主義』とはいったい何なのか。良いものを安く早く、しかも買いたいもの以外の商品もどんどん売り込もうと情報を提供する。この場合の『顧客第一主義』とは、売り手中心主義ではないのか。無人の店舗は、寂しいからといって言葉を発するロボットを置こうとする。これも売り手中心主義のひとつではないのか」

「私は、ロボットより生身の人間がいた方が良いと考える。買い物をする時に人は少ないけれども、人のいるところに行きたいという消費者のニーズは当然ある。それを何とか維持継続して、あるべき姿で実現するのは、リアル店舗を持って苦しみながら投資家にも配当し、働く人たちの給料も上げ、お客さまのためにコストを掛けて小綺麗な店を維持している我々の使命だろうと思う」

「そんな小売り・流通の在り方をなるべく早く実現するためのやり方が、今回の3社連携だ。前述したが、例えば大手がすべて地方スーパーを買収して、我々のような経営者がいなくなって、『さあ給料も今までの倍だ』、『半分はロボットが仕事をするから生産性も上がる』、『だから地域密着型でうまくやれ』とーー。そんな経営者が現れたらどうなるだろう」

「我々の思い込みかもしれないが、今回、旗を挙げたのは自分の身を守るというよりも本当の意味での『顧客第一主義』を創生するための決意表明と考えている。やや時代がかった言い方をすれば、資本主義社会の覇権主義というものと距離を置くということだ」

「前述した全国の中小スーパーマーケットの共同仕入れ会社であるCGCは、大手と対抗するために商品の購入ロットを大きくしてバイイング・パワーを付けて商品を安く販売するのが目的だ。教育や商品輸入も行っているが、商品政策での役割が大きい。しかし、今は商品価格を多少安くしてもあまり意味がなくなっている。もちろん規模のメリットも大事だが、それだけでは対応できない時代だ。CGC加盟の全国約220社をひとつのホールディングスにまとめるのは、現実問題として無理。ならば志を同じくする企業同士で手を繋ごうというのが、今度の3社連携だ」

「多少の違和感があっても、指切りではなくステンレスチェーンで手を結んだ。少なくとも1社で約60億円の資本を出し合って結束をつくった。出資比率は少ないにしてもこれは稀有のこと。全国縦断の提携だが少し空いている地域もある。そんな空いている地域を埋めるための提携でもある」

「私も田代さん(正美・バローホールディングス会長兼社長)も田中さん(康男・リテールパートナーズ社長)も、主義主張と目的を明確にするためには共通看板が必要ということで『新日本スーパーマーケット同盟』とした。『連盟』、『同盟』、『連合』といろいろ候補があった。私は『連盟』の方が良いと思ったが、『同盟』の声が西の方にあって、そうしようと。いずれにしても思いは同じだ」

「もうひとつ、2018年9月に一般社団法人新日本スーパーマーケット協会が全国スーパーマーケット協会に組織名を変更したため『新日本スーパーマーケット』という言葉がちょうど空いていたこともある。新しい試みだし、新しい概念のスーパーマーケット同盟をつくろうということでこの共通看板になった」(構成・本サイト この稿終わり)


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