アークスが10月21日に北東北を拠点とする食品スーパー「ユニバース」を経営統合することで、両社が加盟する共同仕入れ会社CGCジャパンの力関係が変化しそうだ。東北ではCGCジャパンに加盟する各社による共同出資会社の設立や解消が相次いでおり、CGCジャパンの中で大きな力を持つアークスが東北進出を果たすことで、東北地方のCGC加盟社にどんな影響を及ぼすのか注目される。
CGCジャパンは、全国225社の食品スーパーが加盟する共同仕入れ会社で、年商は4兆2187億円、加盟社による総店舗数は3679店に及んでいる。全国9ブロックに分かれ、それぞれのエリアで地域GCC会社が展開。
北海道CGCは、アークス傘下のラルズや福原、ふじなど11社249店舗が加盟している。
東北CGCは、山形県と福島県を除く東北4県の15社が加盟している。
東北では、2年前から東北CGC加盟の食品スーパーを核にして共同出資会社を作る動きが活発化。
2年前に設立されたユナイトは、岩手県のベルプラス(盛岡市)やマルイチ(同)、秋田県のタカヤナギ(大仙市)、伊徳(大館市)の4社が共同仕入れを目的に発足したが、昨年出資関係を解消しユナイトを清算した。
一方で昨年5月には青森県のマエダ(むつ市)、岩手県のマイヤ(大船渡市)、それに東北CGCに加盟していない山形県のおーばん(天童市)、福島県のキクチ(相馬市)の4社が核になって共同仕入れ会社マークスを設立。4社の系列スーパーであるうめや(山形県長井市)、和興(宮城県名取市)、駅前ストアー(宮城県)なども加入することで、8社773億円の規模になっている。
北海道CGCの売上げ規模は1003億円(2011年2月)で、加盟社の総売り上げは3437億円(11年5月)。アークスが最大規模で北海道CGCの売上げの9割を占める。
東北CGC加盟社の中で断トツに売上げが大きい(11年4月期で1020億円)のがユニバースだったが、今回の経営統合でアークスの100%子会社になるため、群雄割拠している東北CGCの力関係は大きく変化しそう。
北海道CGCに加入する企業のトップは、「ユニバースは東北CGCの暴れん坊だった。それだけにアークス傘下に入って南下政策を積極化すればマークスや他のCGC加盟社の再編を促すことになりそうだ」と言う。
東北CGCに加盟している企業の中で上場しているのは東証1部のユニバースと岩手県盛岡市に本社を置くジャスダック上場のジョイス。ジョイスは岩手県内で39店舗を展開し年間売上げは約437億円(10年2月期)
アークスの横山清社長は、今後の本州でのM&Aについて、ユニバースの三浦紘一社長が中心になって進めていく考えを表明しており、東北CGCの中から次なるM&A先が出てくるのかどうか業界の関心を呼んでいる。