コープさっぽろが岩見沢東店にクラウド技術利用の「スマートメーター」導入、店舗使用電力の10%削減目指す

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 コープさっぽろはグーグルのITクラウド技術を活用して、店舗使用の電力量がリアルタイムで把握できる「スマートメーターシステム」を岩見沢東店に導入した。店舗の機器や空調などに使用している電力量が個別に把握できるもので、コープさっぽろでは実験的に導入した岩見沢東店を皮切りに、年度内に10店舗までスマートメーターを導入、店舗の電力使用量を10%削減する。(写真は、岩見沢東店で。右=コープさっぽろ大見英明理事長、左=前グーグル日本法人名誉会長で現村上憲郎事務所代表の村上氏)
 
 コープさっぽろは、2008年から環境問題に取り組み電力削減による二酸化炭素排出量の削減に取り組んできた。
 
 これまでの電力削減は店舗内で使われる冷凍、冷蔵、換気、照明等の系統別削減ではなく、店舗トータルの値しか分からなかったために大まかな電力削減しかできなかった。
 
 それでもコープさっぽろは、08年からの3年間で電力使用量を15%削減、「これによる二酸化炭素排出量も17%削減しており食品スーパーでは最も進んでいる」(大見英明理事長)
 
 コープさっぽろは食品のトレーサビリティ推進に当たりグーグルと提携してきたことから、グーグルのクラウド技術を使い、店舗の個別系統ごとの電力使用量を10分間隔で詳細に把握できるシステムを開発、今回岩見沢東店に200万円を投じて導入した。
 
 スマートメーターシステムを使うことによって、「例えば飲料用のオープンケースをずっと冷やし続けることが本当に必要なのかがわかるし、外気温と室内温との関係から冷房を自動制御するなど、どの部分の電力をどの程度削減しても大丈夫なのかが“見える化”できる」(大見理事長)
 
 食品スーパーでクラウド技術を利用したスマートメーターの導入は全国でも初めてとなる。
 前グーグル日本法人名誉会長の村上憲郎氏は、「クラウドを使う利点は、規模が拡大してもシステム運用が容易という点。ノートパソコンでもタブレット端末でもスマートホンでもデバイスを選ばずに電力使用量が把握できる」と言う。
 
 コープさっぽろが岩見沢東店を選んだのは、同店が旧来型店舗の最後の店舗のため。それ以降はエコ店舗としてオープンしているため既存店で広げていく汎用性がないが、岩見沢東店での実験データは既存店舗への応用が可能になる。
 
 年度内に10店舗でスマートメーターを導入し、個別店舗や本部で電力使用量を系統ごとに把握すると共に電力削減に取り組み、近いうちに電力使用を制御できるシステムも導入する。10店舗への導入のために2000万円を投じる。
 
 コープさっぽろの年間電力料は27億円。スマートメディアシステムは、今後店舗だけでなくコープの組合員向けにも対応できるように改良を加え、家庭でも利用できるシステムにしたい考え。

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