――16年9月期決算では札幌圏で年商100億円を突破しました。
鈴木 札幌圏への出店ペースは遅かった。04年7月に札幌圏1号店の「八軒店」(札幌市西区)を出店してから12年で5店舗101億5400万円になった。地方から札幌に進出した食品スーパーが成功しない中で健闘できた。5店舗で100億円なので平均1店舗20億円の年商がある。
15年4月に出店した「恵み野店」(恵庭市)は前期で15~16億円。「発寒中央駅前店」(札幌市西区)が20億円を超え、「清田店」(同市清田区)が今期20億円を超えるだろう。しかし、札幌圏で200億円規模にしないとマーチャンダイジングが十分に発揮できない。それくらいの規模でないと先ほどの腰高経営を改善できない。八軒店や白石神社前店は土地建物を自前で所有していたが、それ以降はリースで店舗運営している。リース会社の相見積もりを取ってコスト圧縮に繋がる出店を続ける。
――ヨーカドー帯広店と旭川店では、生鮮部門の協業化を図っていますが、成果はどうですか。
鈴木 ヨーカドー帯広店は昨年から、旭川店は今年8月から生鮮部門での共同仕入れや販促の協業化を始めた。帯広も旭川もヨーカドーはチラシを週2万枚しか撒いていなかったが、当社とチラシの共通化をしたことで12万枚にもなった。この販促効果は大きい。ヨーカドー北海道プロックは10月単月で黒字になったと聞いている。札幌圏でもヨーカドーとのシナジー効果を創っていきたい。
――イトーヨーカ堂の出資比率(30%)は変化しますか。
鈴木 今の状況は変わらないだろう。
――今期(17年9月期)の設備投資は。
鈴木 旭川市の旭町店、幕別町の札内店、それに札幌圏の店舗で増床リニューアルなどを行う。その間に新店が決まれば出店する。新店は札幌市内の入札物件を考えているが、競争入札なので落札できなければ出店はない。
――今後の経営課題になるポイントは。
鈴木 後5~6年経つと、GMS(総合スーパー)や食品スーパーのテナントが抜けていくと思う。施設の中に入って決められた契約の中で共益費や家賃を払っていては成り立たなくなるのではないか。当社が加入しているAGS(オール日本スーパーマーケット協会)の仲間に聞いても、花屋のようなテナントでもなかなか集めにくくなっているという。ユニクロやしまむらなど強い小売業は、GMSやSCに入るよりも単独の路面店を選ぶようになるのではないか。今後、食品スーパーもテナント集めには苦労する時代が来ると思う。(終わり)