北雄ラッキー(本社・札幌市手稲区)が地方小商圏に対応した食品と衣料の中型コンビネーションスーパー「シティマートくんねっぷ店」(常呂郡訓子府町)を7日に開業した。人口約5400人の訓子府町に、こうしたスーパーが出店するのは初めてでこれまで北見市に流出していた買い物客を地元に引き留める地域密着が不可欠だ。開店から10日あまり経った15日、合田雅行店長に買い物客の反応などを聞いた。IMG_6663(写真は、シティマートくんねっぷ店の合田雅行店長)
 
 ――出店から1週間が経過して出足はどうか。
 
 合田 訓子府町は世帯数約2400、人口約5400人で北見市に勤めている世帯が多く、勤務帰りに北見市内で買い物をして帰るのがパターンだったようだ。また、週末には同市内でまとめ買いをする世帯が多かった。当店ではこうした買い物客の半分でも来店していただければ良いと考えている。ラッキーカードの加入も既に2000人を超えており地域住民の8割はカバーできるだろう。
 
 ――売れ筋商品は何か。
 
 合田 惣菜が良く売れている。町内にはコンビニエンスストアなどがあるが、いずれの店舗も当店ほどの品揃えがなかったため町民には新鮮なのだろう。また、農業が主産業なので野菜類はそれほど売れないと考えていたが、実際は反対で野菜、果物も良く売れている。味噌は地元の太田醸造の「すずらん味噌」しか売れないと言っても良いくらいだ。
 
 —―他の店舗と消費パターンが違うところは?
 
 合田 寿司が朝から売れており相当な量が出るのが他の店舗とは違う特徴だ。札幌市内の店舗等で寿司は午前中からそれほど売れない。また、刺身は切ってパック化したものが売れず、自宅で切る刺身用の魚は売れる。また、精肉はサガリを求める人が9割を占めるのも特徴だ。
 
 ――住民はまだスーパーでの買い物に馴れていない面もあるのではないか。
 
 合田 コンビニなどしかなかったため、これまでは商品を選択する必要があまりなかった。だから、当店で豊富に品揃えすると買い物客は目移りして迷っているようだ。売れ筋に品目を絞った品出しが必要だ。
 
 ――店舗は小商圏でも採算が合うようなローコスト運営のモデル店でもある。
 
 合田 社員は5人、パートナーは8時間換算で20人。部門にとらわれずレジをしたり商品の品出ししたり、社員も忙しくなればレジを手伝ったりと縦割りではない働き方を導入している。また、惣菜類は美幌町にある「シティびほろ」から搬入し、揚げ物や丼物、寿司などは当店のバックヤードで作っている。こうした体制もローコスト運営には不可欠だ。
 
 ――今後の対応は。
 
 合田 弁当のチラシを作って町内に配布しており、町内会や老人クラブなどの会合向けに弁当の宅配を積極的に行いたい。地元の商工会も当店に期待をかけており、地域密着に磨きをかけて地元振興に繋がるように運営していきたい。(取材日2015年7月15日)
IMG_6659(写真は惣菜売場)
IMG_6666(写真は、店舗の外観) 
 


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