セイコーマート(本社・札幌市中央区)と陸上自衛隊北部方面隊は、災害時における物資供給に関する協定を締結した。災害発生時にセイコーマートが被災地で救援活動をする自衛隊員向けに食料品やトイレットペーパーなど必需品を提供するもので、協定の有効期間は1年。双方に異論がなければ1年ごとに更新できる。
(協定書に署名する田邊陸将=左と丸谷社長=写真上、調印後に握手する田邊陸将と丸谷社長)
協定締結は、17日午後2時半から陸上自衛隊北部方面総監部で行われ、田邉揮司良(きしろう)総監・陸将とセイコーマートの丸谷智保社長が協定書にそれぞれ署名した。地震や台風、豪雨、原発事故など災害時に被災地復旧を行う自衛隊員にセイコーマートの道内全店舗や6つの物流拠点から食料品や水、トイレットペーパー、石鹸、歯ブラシなどの物資を要請によって提供する。
セイコーマートは、東日本大震災でも被災地に向けて支援物資を供給した実績があり、道内の8自治体と個別に災害時に物資供給する防災協定を結んでいる。陸上自衛隊北部方面隊と協定を締結することによって早期の災害復旧に協力する体制を強化する。
協定締結を終えて田邉陸将は、「北部方面隊の活動基盤が強化され、今後起こり得るであろう各種災害発生時に道民の期待に最大限こたえられる活動が可能になる。今後は、この協定に基づき平素から協力態勢の整備に努めたい」とコメント。丸谷社長は、「当グループの全道を網羅する強靭な物流網と食品製造能力を含めた供給体制が評価された結果で光栄。協定締結を機に関係機関との連携をさらに強化して、災害時に住民への物資供給とともに自衛隊の活動に必要不可欠な物資供給に最大限協力したい」と述べた。
陸上自衛隊補給統制本部などでは、2012年にイオンリテールとイトーヨーカ堂、13年には日通、14年にはローソンとファミリーマートがそれぞれ飲食料品、必需品などの供給、運搬協定を結んでいる。北部方面隊が物資供給で協定を結ぶのはセイコーマートが初めて。
なお、北部方面隊は北電と災害時の救援活動に必要な活動拠点への電力供給、施設、敷地、通信の提供、地誌資料の提供などで協定を昨年12月に結んでいる。北部方面隊では今後も民間企業とこうした災害時の各種協定を締結する方向で検討している。
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