サッポロドラッグストアー(本社・札幌市)は、ドラッグストアの差別化戦略の一環として店内に整骨院を導入していく方針だ。東京に本部を置くワイズケアと連携、サツドラの店内スペースにフランチャイズ整骨院を設置して消費者の来店ニーズの多様化を図る。4月の消費増税以降、消費者の節約志向が強まっていると見て他のドラッグストアでの差別化が必要と判断した。(写真は、富山睦浩社長)
ワイズケアは、2013年にFC事業部門を設立、整骨院を全国でFC展開する体制を整えている。柔道整復師や鍼灸師の資格取得者は独立して整骨院を開業するケースが多いが、各種保険手続などの煩雑な作業が必要になるため、ワイズケアはFC本部がこうした手続き面を指導することで独立開業をサポートしている。
サツドラは、ワイズケアと連携し6月に札幌市内の川沿店(南区川沿3条3丁目)に「ワイズ札幌南整骨院」を設置、営業を始めた。2号店は、10月下旬に新規オープンする「旭川永山3条店」(永山3条5丁目)の店内に導入する。
ドラッグストア業界は、競争が激しく他社との差別化が必要なため、サツドラでは調剤薬局と整骨院を併設したドラッグストアで競争力を高める。
同社の富山睦浩社長は、「これまでは350坪程度の店舗が標準だったが、今後は450坪の建物の中に380坪のドラッグ売場と調剤室15坪、整骨院15坪を併設していきたい」と語る。
4月の消費増税後、ドラッグストアの既存店売上げは前年同月を割り込んだ状態が続いている。「増税の反動減は既に終わっており、8月の売上げを見ると消費者の節約志向が強くなっている印象だ」(富山社長)としており、整骨院などの設置で消費者の新たな需要を取り込んでいく。また、今後の出店政策として「今期は札幌や帯広など都市部が多かったが来期は地方にも出店していく」と言う。