サッポロドラッグストアー(本社・札幌市)が、創業40周年を迎え出店攻勢をかけている。2014年2月期は新規10店舗の出店を計画、15年2月期にはさらに20店舗を予定するなど「高速出店」を加速していく考えだ。現在の店舗数は135店舗、それを5年以内に200店舗まで拡大するという。富山睦浩社長に高速出店の狙いを聞いた。(写真は、富山睦浩社長)
 
 ――今期は10店舗、来期は20店舗の出店予定があるそうですね。
 
 富山 来期20店舗まではいかないが、今期と同数くらいの出店をしていく。ドラッグストアの商品構成は時代とともに変化していくが、現在のニーズに合致した新しいドラッグストアのフォーマットはできた。札幌市内ではなかなか難しいかも知れないが、売場面積380坪の店舗を作るのに合致した土地があればできるだけこのフォーマットで出店していく。
 
 ――380坪を標準フォーマットにして出店攻勢をかけていくということですか。
 
 富山 そうだ。今まで売り場面積によって4つのフォーマットがあったが、サイズがバラバラだと商品構成もまちまちでチェーンオペレーションが難しかった。ある意味で地域に密着している商品構成にできるが、高速出店はできなかった。だから、例えば西松屋のようにすべて同じ面積で商品構成もほぼ決まっているような形で出店していくのが狙い。当社のPB(プライベートブランド)もかなりできあがってきたので高速出店してもそんなに店舗に人がいなくても運営できるようになっている。
 
 ――5月末にオープンした札幌市の山鼻南14条店がそのフォーマットという訳ですか。
 
 富山 山鼻南14条店には実用衣料や雑貨を揃えている。薬や化粧品、フードは従来と変わらない品揃えだ。アメリカでダラーゼネラルのようなダラー業態がすごく伸びている。ウォルマートのような巨大店舗では広すぎて敬遠するお客もいる。コンビニエンスストアのように身近で簡単に買える300坪の店舗でいろんなものが揃っているのがダラー業態。気軽に入ってパッと買える店。我々の店舗も北海道でそういうような役割をするんだろうと思っている。もちろん、札幌市内では150坪程度の小さな店舗も出していく。秋に札幌市西区に出店するJR生鮮市場とのジョイント店舗は食品を置かない180坪の店舗だ。
 
 ――SMやコンビニでもドラッグを揃え始めています。競合も出てきますね。
 
 富山 最初からコンビニとは食い合ってきている。食品スーパーやコンビニでドラッグの扱いが増えてきているが、そういった店舗のドラッグは相談販売がまだまだできていない。まだうちの方がきちっと相談販売の勉強会をやっておりお客はドラッグストアで薬を買った方が良いと思っている。しかし、ウォルマートでもドラッグが伸びているから油断はできない。やがてそういう時代が来るかもしれない。ネット販売も影響が出てくるかもしれない。ただ、現時点ではリアルな店舗でお客に薬を買ってもらうようにきちんとカウンセリングできる体制づくりをしておかないとならない。
 
 ――食品では生鮮3品を置く計画はありますか。
 
 富山 それはない。日配、グローサリー、冷凍食品までだ。スーパー行かなくてもうちで十分足りるという品揃えをしていく。例えば刺身や生のステーキを食べなくても良いということならうちで十分間に合うし、冷凍のサンマもシャケもある。もっとも一部店舗で野菜、果物の取扱いは始めている。焼肉やカレーをするのに間に合うくらいの野菜は置き始めている。
 
 お年寄りが多くなるから店舗が広くて買い物が疲れるようでは困る。ある程度品揃えができて、コンビニでは満足できないけどドラッグだったらある程度満足できて買い物が疲れないという面積が必要だ。我々の店舗でビールや酒が売れているのは買ってから駐車場に停めている車に運ぶのに距離が短いからという側面もある。スーパーでは運ぶのに駐車場まですごく時間がかかる。ドラッグの方が安いし運ぶのが楽だからという需要もある。
 
 ――今後の出店は。
 
 富山 現在の道内店舗数は135店舗で5年以内に200店舗にしたい。
 
 ――本州進出は考えていますか。
 
 富山 私の代ではないな、息子の代になってからでしょう。でも本州は厳しい。知名度がないところに出て行っても相当に大変だ。
                                    (次回に続く)


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