ジェイ・アール北海道バス(本社・札幌市西区)は、昨シーズンの大雪の交通障害を踏まえて、利用客にリアルタイムで情報提供できるスマートバス停を設置、北海道で初めて実証実験を開始した。(写真は、スマートバス停の琴似営業所前)
現在、停留所でバスを待っている利用客に運休などの運行状況を知らせる手段は、同社社員がバス停を一つひとつ回って「お知らせ」を張るという方法しかない。いわば、人海戦術によって人と時間と手間をかけて対応せざるを得ない状況。しかし、今年1月、2月の記録的大雪の際には、社員が停留所にもたどり着けない状況が続き、利用客に不便を強いた。
こうした反省を踏まえ、同社では利用客にリアルタイムで運行状況を知らせる手段として、西日本や関東を中心に展開している「スマートバス停」を北海道の真冬の気温や大雪時に対応できるかの実証実験を11月28日から開始した。
設置バス停は、琴似営業所前(札幌中心部方面行き、手稲方面行き)で、3基を設置。直接電気の供給を受けるタイプや太陽光パネルで電源供給を受けるタイプなどで、いずれもインターネットとクラウドに接続されている。
スマートバス停とは、デジタルサイネージに時刻表や運行情報、緊急案内になどを遠隔操作でリアルタイムに提供できるシステムを搭載したバス停のこと。今回の実証実験は、スマートバス停の開発元であるYE DIGITAL(本社・北九州市小倉北区)、販売事業者の富士フイルムイメージングシステムズ(同・東京都品川区)の協力を得て、2023年5月頃まで行う。