JR北海道の駅に掲げられている縦型の駅名標。「さっぽろ」や「あさひかわ」など、平仮名で書かれた駅名の下に「本場の味サッポロビール」と広告が入っている。その広告が見直されることになった。主要駅や利用の多い駅の駅名標には、新デザインが採用されるが、それ以外の駅の駅名標から広告部分が塗りつぶされる。北海道の駅にはつきものだった広告が切り替わる。(写真は、駅名の下に掲出されているサッポロビールの広告)
道内駅の駅名標に「本場の味サッポロビール」の広告が入ったのは、国鉄時代の1984年から。道内のどんな小さな駅でも必ず見かける平仮名の駅名と「サッポロビール」と書かれた駅名標は、北海道の駅の原風景でもあった。
広告掲出から今年で37年、サッポロビール(本社・東京都渋谷区)はJR北海道ソリューションズ(同・札幌市東区)と協議、定期的に実施している広告施策の見直しの一環として駅名標広告の掲出を終了することにした。
当時から変わらない駅名標が設置されている駅は、2020年の時点で約410駅。このうち函館や新函館北斗、小樽~岩見沢間、旭川、札幌~苫小牧、札幌~北海道医療大学間、帯広、釧路、上富良野の各駅のほか、北海道新幹線の新函館北斗、木古内、奥津軽いまべつの3駅を合わせた約60の駅には、新デザインの駅名標が掲出される。新デザインの掲出は、22年度からだがデザインは現在、検討中。
それ以外の駅にある駅名標は、6月から順次、広告部分が撤去または塗りつぶされていく予定になっている。国鉄時代から続いてきた「サッポロビール」入りの駅名標が終了することに伴い、関係者は駅見回りを強化、駅名標の盗難を防止することで駅を大切にしてきた地域住民の思いに応えていく。
(北海道の駅には不可欠の「サッポロビール」が入った駅名標=写真は根室本線厚内駅の駅名標)