JR北海道(本社・札幌市中央区)は9日、2021年春のダイヤ見直しと利用の少ない18駅の廃止などを発表した。新型コロナウイルス感染症収束の見通しが立たず、収入が減少していることを踏まえて今後も鉄道事業を継続するため、固定費を含めた経費節減を図ることが狙い。「アフターコロナ」の時期が到来しても、鉄道利用の需要は完全に戻らないと想定、鉄道利用の需要変化に合わせた柔軟性を持った輸送体系にすることも盛り込んだ。(写真は、新たに30両が投入されるH100形電気式気動車)
札幌~函館間では、特急の「北斗23号」(函館発19時54分→札幌着23時39分)、「北斗24号」(札幌発20時00分発→函館着23時38分)の運転を取りやめるほか、「北斗5号」(函館発8時55分→札幌着12時39分)、「北斗14号」(札幌発13時27分→函館着17時11分)を4月、10月、11月の水・木曜日を運休とする。また、「北斗」の指定席を2両減車して通常運転は7両から5両にする。
札幌~旭川間は、特急「カムイ」4本を土日運休として、札幌~網走間は特急「大雪1号~4号」を4・5・10・11月の火・水・木曜を運休とする。旭川~稚内間は特急「サロベツ3号・4号」を4・5・10・11月の火・水・木曜を運休とする。札幌~釧路間の特急「おおぞら」は、指定席を1両減らして通常運転は6両から5両にする。
札幌圏では、札幌~新千歳空港の快速「エアポート」6本と手稲方面~札幌~江別方面の5本、学園都市線の2本も土休日運休とし、札幌~手稲方面の3本と札幌~千歳方面の4本科は運転を取りやめる。
また、現在はキハ40形で運転している室蘭線・宗谷線・石北線に新たにH100形電気式気動車30両を投入して所要時間の短縮を図る。
さらに駅では利用の少ない18駅を廃止するとともに、21年度より自治体による維持管理に18駅が移行する。
(写真は、廃止される「上幌延駅」と「安牛駅」)
■廃止18駅は次の通り。
▷函館線1駅…伊納駅(旭川市)
▷宗谷線12駅…南比布駅・北比布駅(比布町)、東六線駅・北剣淵駅(剣淵町)、下士別駅(士別市)、北星駅(名寄市)、南美深駅・紋穂内(もんぽない)駅・豊清水駅(美深町)、安牛駅・上幌延駅(幌延町)、徳満駅(豊富町)
▷石北線4駅…北日の出駅(旭川市)、将軍山(しょうぐんざん)駅(当麻町)、東雲(とううん)駅(上川町)、生野駅(遠軽町)
▷釧網線1駅…南斜里駅(斜里町)
JR北海道では、ダイヤ変更、駅廃止など一連の見直しにより約6億2000万円の経費削減額を見込む。