JR北海道(本社・札幌市中央区)の小池明夫元会長(76)が、退職慰労金の支払いを求めてJR北海道を札幌地裁に提訴していることが分かった。9月12日の第1回口頭弁論では、同社側は請求棄却を求めた。(写真は、JR北海道本社)

 小池氏は、1969年東京大学経済学部卒、国鉄入社。1984年札幌鉄道管理局に異動し、1987年の国鉄分割民営化でJR北海道に移った。1994年に取締役に就任、2003年に坂本眞一社長の後継社長に就任。2007年に代表権のある会長に就き、中島尚俊氏が社長に就任した。しかし、中島氏が入水自殺したことを受け、2011年に社長に復帰、2014年まで務め、野島誠氏の社長就任に伴い会長に退き、2014年に会長を退任した。取締役在任期間は約20年間。

 退職慰労金についてJR北海道は、2013年に起きた函館線大沼駅構内での貨物列車脱線やレール検査データの改ざんなど不祥事が相次いだことを受け、臨時株主総会で小池氏や野島氏ら取締役4人の退職慰労金支払いの留保を臨時株主総会で決議していた。

 退職慰労金の不支給は、過去にも旧北海道拓殖銀行や北海道銀行などでもあった。旧拓銀は破綻、譲渡されたため不支給に異論の余地はなかったが、経営危機に陥っていた道銀の一部役員への不支給については対象役員が了承するなどし、会社側の措置が受け入れられた。今回のJR北海道の場合は、臨時株主総会の留保決議の効力がどこまで及ぶかということ。JR各社は、取締役の退職慰労金制度を2000年前後に廃止しており、年間報酬の中に組み入れているという。JRの中で退職慰労金制度が残っているのは、三島会社(JR北海道、JR四国、JR九州)だけと言われており、早期の見直しをしてこなかったことが、今回の訴訟問題に発展する素地にもなった。

 小池氏は、JR北海道退任後の2015年6月に調剤薬局チェーン、メディカルシステムネットワーク(本社・札幌市中央区)の社外取締役に就任、現在も務めている。同氏の退職慰労金は、約1億円とも言われている。裁判の結果が出るまでには、数年間を要するとみられる。その頃には同社の島田修会長(64)も退任時期を迎えそう。JR北海道の厳しい財政状況の中で、島田氏への退職慰労金は果たして支給されるだろうか。



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