小樽市桃内(ももない)から忍路(おしょろ)を結ぶ国道5号線3・5㎞の区間に新ルートが開通して1ヵ月半が経過、落石等の心配がない安全なルートが確保されたほかドライバーのストレス軽減にも役立つとして好評のようだ。20180424_173616(写真は、新「忍路トンネル」)

 新ルートは、延長1・7㎞の新「忍路トンネル」を通行するルート。海岸線を走る旧ルートは、0・4㎞の桃内トンネル、0・5㎞の旧忍路トンネルを含めてカーブが多く、落石や岩盤の崩壊など危険箇所が15ヵ所も存在。1998年からの20年間で17回の災害が発生し、そのたびに通行規制が行われるなど小樽と余市の往来に支障が出ていた。

 このため小樽開発建設部は、2008年から桃内と忍路の区間で新「忍路トンネル」を使った新ルートの建設を開始、10年間をかけて開通に至った。
 
 旧ルートを走ったことがあるドライバーならこの区間の走行に少なからぬ不安を感じたことがあっただろう。桃内トンネルは築57年、旧忍路トンネルは築56年で2つのトンネル出入り口は見るからに年代を感じさせ、幅員も狭い。さらにカーブの多い海岸線は、落石の危険と共に気を抜けないからだ。また、旧忍路トンネルの小樽寄りの出入り口に近い交差点は、よほど通り慣れたドライバーでなければ左折車、右折車に気付くのが遅れてしまうだろう。

 新ルートは、落石や岩盤崩壊から解放され安全が確保されるほか、ドライバーのストレス軽減にも大きな効果がある。ただ、旧ルートは、忍路半島の竜ヶ岬が望め、日本海の四季折々を感じられるルートでもあった。安全確保は最優先だが、小樽と余市の間で、日本海が体感できる唯一の海岸線だっただけに廃道を惜しむ声もある。


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