資本金1000万円以下の中小零細企業や個人商店主を主な融資先とする道内の7信用組合は、統一の融資商品である「しんくみアシスト7」の4度目の延長を決めた。通常の金利より低く、担保なしで5000万円まで借り入れることが可能。「アベノミクス」が地方の津々浦々まで浸透していない現状から、円滑な資金供給が引き続き必要と判断、業界一丸となって融資先をサポートする。(写真は、札幌市中央区の北央信組本店)
「しんくみアシスト7」を取り扱っているのは、「北央」、「札幌中央」、「ウリ」、「釧路」、「空知商工」、「十勝」、「函館商工」の7信組。この統一融資商品は、道の制度融資を利用したもので2009年12月から取扱いを開始。限度額5000万円で、融資期間は1年超から7年以内。運転資金や設備投資資金に利用でき道信用保証協会の保証は必要だが、無担保で保証人は法人の場合は代表者、個人商店等は不要。金利は固定で1・6~2・0%と一般的な信組の2・8%と比較して低金利。
一般社団法人北海道信用組合協会によると、同商品の各暦年の利用は次の通り。09年12~10年12月(13ヵ月)453件、25億1000万円、11年1~12月198件、12億5000万円、12年1~12月171件、11億5000万円、13年1~12月207件、13億5000万円。累計で1029件、62億円の実績がある。毎月の平均利用件数は20件弱で、4~6月と12月の4ヵ月間で年間の半分程度の利用になっているという。
1件当たりの平均利用額は600万円で8割が運転資金に利用され、残りは設備投資資金。設備資金の内訳は、車両や重機、小型製造機械の購入、店舗内装・リフォーム向けなど。
7信組の貸出金残高は、13年9月中間仮決算で3436億5400万円と前年中間期と比べて1・6%の減少。道財務局の調べでは07年以降、一貫して貸出金は減り続けており、資金需要が増加するような景気好転の環境にはなっていない。
このため、7信組は引き続き円滑な資金供給が必要と見て異例の4度目の延長を決めた。今回から、新たに道の小口事業者向け融資制度(こちらの限度額は1250万円)を加え、「より幅広い層に使いやすいようにした」(同協会)。今回の延長は14年12月末まで。