――FGは17年経って兼間頭取が当初思っていた方向に近づいてきましたか。

 兼間 かなり近づいてきたと思います。もともと私は、機能の多くをFGに集約させたいという考えを持っています。同じことを両方の銀行でやっていても非効率だからです。例えば、スマホのアプリ機能にしても、当行で新しい商品を手掛け、北陸さんでもそれを手掛けたら二重のコストがかかることになります。半分の人数で両方で同じことをやればいいわけです。発想としては、そういうことで、一つずつ前に進めています。

 ――17年間の中で、兼間頭取がFGの業務的な意味での成果と感じているのはどこでしょうか。

 兼間 一つは横浜銀行さんと一緒に北海道銀行、北陸銀行3行で共同利用システム「MEJAR」を稼働させたことです。後に七十七銀行さんが加わったのも大きな成果だと思っています。その基幹システムの下には、様々な部門システムがありますが、それらを時間をかけて一本化するように進めてきました。先ほどのイントラシステムをつくったことも画期的なことだと思います。

 ――まだ共通化する部分はありますか。

 兼間 両行が使用する伝票や帳票の統一化を進めてきましたが、事務処理手順はまだまだそろえる余地が大きい。そういう部分について、次のシステム公開までにしっかりと業務の流れを含めてつくり上げることにしています。

 ーー北陸銀行札幌支店跡に「ほくほく札幌ビル」の建設が始まります。

 兼間 北海道では新たなFGの象徴的なビルにしたい。当行の本部機能およびグループ企業を新ビルに移設するなど、FGの相互連携を象徴する施設にします。

 ーー証券業務の状況はどうですか。

 兼間 今年6月に帯広に出店しました。ほくほくTT証券では、将来的に函館出店まで視野に入れています。いつ函館にということはまだ決まっていませんが、函館進出でほぼ道内はカバーできます。思っていた以上に、お客さまは証券に関心があります。特に、富裕層の方は、銀行の預金には不満がありますから、中長期的に資産を増やしていくという中では、やはり証券会社の商品は、非常に魅力があります。そういうものを、しっかり提供して、そこから上がる収益を連結の中に取り込めているという意味では、証券業務は大きい存在。現在、順調に展開しており、今後の成長戦略の大きな柱になると思います。

 ーー取り扱い目標は。

 兼間 最近は過度な目標は設定しないようにしていますが、自分たちの自主目標を持ちながら、進めているのが実際のところです。

 ーー信金、信組との連携、他の金融機関との協調を重視していますね。

 兼間 就任挨拶で言いましたので、いろいろなことについて信金さん、信組さんと議論を始めていますし、特にATMはお互いに相当な効果があると思いますので進めたい。ATMを置くことによって、ATMの管理業務が必要になります。地方にあれば、自分たちで管理業務を行わなければなりません。それに向けて交代勤務で対応しており管理負担が大きいので、外部業者にアウトソーシングしているところもあります。そうした業務を信金さんにお願いして、バックヤードの共同化ができないかということも検討したいと思います。
 私たちも人員が減っているので、地方に十分な体制をつくることができません。多くの人員を地方に置くことができなくなっているので、自分たちで手の届かない部分については、信金、信組さんにお願いする部分が出てくると思います。当行では、お客さまの事業承継などコンサルニーズに応えられる機能を提供させてもらうなど、役割分担、棲み分けを含めて、将来はいろいろなことが考えられるのではないか。このことを次期中期計画に盛り込みたい。どうしても競合する部分はあると思いますが、業務を棲み分けしていくことは可能だと思います。

 地方では、人口減少が進んでいるのに銀行の都合で競争していれば、結果的に金融機関の体力を奪ってしまうことに繋がり、良くない。店舗をどうするかは、その次のステージだと思います。まずは、いろんな議論をさせていただきたい。信金さん、信組さんと一体となって地域をしっかり守っていくコンセプトは変わらないので、どのように具体的に次の中計に組み入れるか、今、まさに議論をしているところです。ゆうちょ銀行さんと連携していくこともあると思っています。

 ーー広域分散の地域性から、信金信組との連携は欠かせないですね。

 兼間 欠かせないですね。1行だけでカバーするのは無理です。人員をあと1000人くらい増員して経営していくことが可能になればできるかもしれませんが、それはありえません。いろいろなことで、力を合わせてやっていきたいと思っています。

 ーー信金、信組の理事長を納得させるのは大変では?

 兼間 皆さん本当にいい方ばかりです。私は訪問した地域では必ず信金、信組の理事長にお会いしています。頭取として所信を表明したので、皆さんの耳にはしっかりそのことが入っていますし、どういう考えでこれからやっていくのかということを、興味深く見ていただいています。



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