札幌証券取引所は1日、北洋銀行が札証本則市場に上場したことに伴い有価証券上場通知書の交付式を行った。同市場にはこれまで持ち株会社の札幌北洋ホールディングス(HD)が上場していたが、北洋銀行が同HDを吸収合併したため、新たに北洋銀行が上場することになったもの。小池善明札証理事長が石井純二頭取に上場通知書を手渡した。(写真は、小池善明札証理事長(左)から上場通知書の交付を受ける北洋銀行の石井純二頭取)
北洋銀行は、北洋無尽時代の1950年に札証に上場、翌年相互銀行に転換して上場を続けた。その後、89年の普通銀行への転換や98年の北海道拓殖銀行の営業譲受を経て、2001年に札幌銀行との持ち株会社、札幌北洋HDを設立。北洋銀行に代わって同HDが上場企業になった。
同HD傘下の北洋銀行は、08年10月に同じく傘下の札幌銀行と合併。今回、10月1日付で北洋銀行が同HDを吸収合併したため、同日付で札証本則市場に北洋銀行が上場することになった。上場会社が非上場会社と合併する場合に、事業の存続が実態として認められる場合に存続会社の株式を簡素な手続きで上場承認する「テクニカル上場」と言われる手法で上場した。
上場通知書の交付式を終えた石井頭取は、「新北洋として新しいスタート台。経営課題に果敢に取り組んで北海道経済の発展にしっかり取り組んでいく決意を新たにした。今回のHD解消はイノベーションの一つ。組織の効率化、経営のスリム化と意思決定の迅速化を図り、その時々の経営をめぐる課題に迅速、柔軟に取り組んでいく」と語った。
札幌銀行との持ち株会社設立から11年、HDの一方の名称だった札幌が消えることに対しては、「合併してから4年経過しており、行内には札幌銀行出身とか北洋銀行出身という意識はない」としたうえで、「(今年4月の)頭取就任時から言っているように、目標は北洋銀100周年に当たる2017年までに公的資金完済のメドをつけること。さらに北海道にはなくてはならない存在としてお客様の悩みを共有化してソリューション機能の発揮などの企業価値を高めていきたい」と決意を述べていた。