一般社団法人北海道信用金庫協会(以下、北信協、会長・増田雅俊稚内信用金庫理事長)は7日、道内20信用金庫の2020年9月中間仮決算(20年3月~9月)をまとめた。信用金庫は信用金庫法上、中間決算を行っていないが各金庫は中間期の経営実態を把握するため、便宜的に仮決算を行っている。北信協は、これら仮決算をまとめて発表した。(写真は、北海道信用金庫協会が入っている札幌市内の信金中央金庫ビル)
今中間仮決算は、コロナ禍の影響を色濃く反映した内容となった。特別定額給付金の支給などから預金は各金庫とも堅調に伸び、20金庫全体の9月末の預金残高は前年同期比6・7%増の8兆412億円で、初めて8兆円の大台に乗った。平均残高は、同4・9%増の7兆8749億200万円。貸出金も、国や道などの無担保融資制度の利用や各信金のプロパー融資も伸びて、9月末貸出金残高は同8・5%増の3兆3860億円になった。こちらも過去最高の貸出金となった。平均残高は、同5・7%増の3兆2680億500万円。20金庫全体の貸出金利息収入は、低金利政策や金利競争により減少傾向だったが、貸出金ボリュームの増加によって一転して増えた。
一般企業の営業利益に当たる業務純益は、15金庫で減益、5金庫で増益となった。減益幅が大きかったのは前年同期比88・5%減の大地みらい信金(根室市)、同51・0%減の日高信金(浦河町)、同48・2%減の北空知信金(深川市)、同45・2%の稚内信金(稚内市)、同39・2%の北門信金(滝川市)などとなっている。逆に増益になったのは、同17・2%増の苫小牧信金(苫小牧市)や同8・0%増の北星信金(名寄市)など。
当期純利益は、金庫全体で見ると、税引き前は一般貸倒引当金の繰入額が増加して減益となったが、税引き後は78億3500万円で同7・2%増となっている。税引き後を個別に見ると、減益は9金庫、増益は11金庫だった。
なお、預金量を見ると、中間期末で旭川信金は9282億9800万円と前年中間期比で7・6%増となっており、上期並みの預金量増加となれば21年3月末で9910億円と1兆円目前となりそうだ。