親族外の経営者に事業承継を行う小規模事業者から株式を取得して、円滑な事業承継を行うためのファンド「北のふるさと事業承継ファンド」は、2月28日に第6号案件として釧路市の昆布・昆布加工品卸売の「カネタ髙橋商店」に投資を実行した。道東地域では初の投資案件となる。(写真は、カネタ髙橋商店の事業承継計画の策定を支援した釧路信用金庫)

「北のふるさと事業承継ファンド」は、道内の小規模事業者が親族外に事業承継を行う場合に、同ファンドが株式を買い取り、一定期間を経て経営が軌道に乗った段階で承継者に株式売却するファンド。

 ファンドの規模は5億円で北海道、北洋銀行、北海道銀行、北海道信用金庫、旭川信用金庫、北見信用金庫、北央信用組合、(公財)北海道中小企業総合支援センターが出資、運営は同センターが行っている。

「カネタ髙橋商店」への投資は道東初の投資案件。現代表者の髙橋雅弘氏から後継者の﨑枝勉氏への親族外事業承継にあたり同ファンドが株式を取得、﨑枝氏による株式買い取りが可能になるまでの期間一時保有する。株式取得額は1119万8000円。投資期間は10年間。事業承継計画の策定は、北海道が道内6圏域に設置している「事業承継サポートネットワーク」のメンバーである釧路信用金庫が支援を行った。
 
 同ファンドはこれまでに設備工事業のジンワークス(札幌市東区)、建築資材卸売業の三共メターレン(同)、測量サービス業の島口測量設計(小樽市)、建設用・建築用金属製品製造業の北興工業(三笠市)、食品卸売業の産直システム・北海道(岩見沢市)に投資を実行している。


16人の方がこの記事に「いいんでない!」と言っています。