北海道銀行(本店・札幌市中央区)が七十七銀行(同・仙台市青葉区)、ふくおかフィナンシャルグループ(FG、本社・福岡市中央区)、沖縄銀行(本店・那覇市)と共同開催しているICT(情報通信技術)を活用したサービス、アイデアを競うビジネスコンテスト「XーTech Innovation2019(クロステック イノベーション2019)」の北海道地区最終選考会が11日、札幌市中央区のロイトン札幌で開催された。(写真は、最優秀賞を獲得したティ・アイ・エルの藤浪慧代表取締役=中央。左は道銀・大木孝志副頭取)

 北海道地区大会には24チームから応募があり、一次と二次の選考に勝ち残った12チームがこの日、最終選考会のピッチコンテストに臨んだ。最優秀賞を受賞したのは、ティ・アイ・エル(東京都千代田区)の『AIボイスレコーダーRECORiS』。道銀の大木孝志副頭取から藤浪慧代表取締役に賞金50万円の目録パネルが手渡された。同社は北海道大学発の認定ベンチャー企業で、『AIボイスレコーダーRECORiS』は、ボイスレコーダーデバイスとソフトウェアによって現場でのコミュニケーションを全てテキスト保存でき、あらかじめ設定した語句をAIが検知するとオペレーションセンターに自動通報、訪問先や密室でのトラブルを防ぐことができる。
 藤浪氏は、「(最優秀賞受賞を)想定していなかった。今年の夏から『RECORiS』やロードヒーティングの制御システムがやっと製品化でき始めたばかり。よりスピーディーに事業展開していくために北大やパートナーの協力をいただきながらを成長したい」と述べた。

(写真は、優秀賞を受賞したスペースリーの森田博和代表取締役=右)

 優勝賞は、スペースリー(東京都渋谷区)の『どこでもかんたんVR研修』で、大木頭取から森田博和代表取締役に30万円の目録パネルが渡された。同社のVR(仮想現実)研修は、市販の360度カメラで撮影した360度写真や動画をクラウド上にアップロードし、直感的な操作でクイズなどのインタラクションを盛り込み、VR研修コンテンツを制作できるサービス。

 最優秀賞のティ・アイ・エルと優秀賞のスペースリーは、東北地区、九州地区、沖縄地区を勝ち上がってきた最優秀賞、優秀賞のチームとともにふくおかFGが東京・八重洲に開設しているオープンイノベーション共創拠点「DIAGONAL RUN TOKYO」で20年1月15日に開催されるグランプリファイナルに出場する。

 特別賞は、RESA(札幌市清田区)の『満室ナビ』とエアシェアの『小型航空機シェアリング』。満室ナビは、賃貸物件の満室データを収集し、パターン認識を用いて空室物件と満室物件の違いを明示させるウェブアプリケーションを提供。大家が空室を埋める際に利用できるほか、不動産投資の利回り調査や割安物件を見つける際に適している。小型機のシェアリングサービスは、航空機オーナーの遊休資産、プロパイロットの人材余りなどをマッチングさせる小型航空機のシェアリングエコノミーサービス。それぞれ10万円の目録パネルが渡された。

(写真は、特別賞のRESA・芝哲也代表取締役CEO=右)
(写真は、特別賞のエアシェア・進藤寛也代表取締役)

 最終選考を務めた審査員は6人で、審査委員長を務めた一般社団法人北海道モバイルコンテンツ・ビジネス協議会会長(メディア・マジック代表取締役)の里見英樹氏は、「審査項目は技術シーズのテック(技術)が事業化にどう結び付くか、顧客ニーズをどれだけ理解しているか、事業の実現性、課題克服の信念、社会課題の解決に伸びしろがあるかの観点から審査した。『AIボイスレコーダー』のAIでテキスト化する点が審査員の高い評価を得た。『言った』『言わない』や暴言が飛び交うような場で『AIボイスレコーダー』を利用することによって抑止力が生まれるのではないか。将来的にこういったデバイスが広く社会に浸透する将来性にも期待を込めて最優秀賞に選んだ」と話していた。


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