北海道銀行(本店・札幌市中央区)やふくおかフィナンシャルグループ(本部・福岡市中央区)など地方銀行5行が主催する「X-Tech Innovation(クロステック イノベーション) 2020」の北海道地区最終選考会が17日、札幌市中央区の札幌市民交流プラザ・クリエイティブスタジオで来場者なし(無観客)で開催され、後日配信される。最優秀賞にはゼロスペック(本社・東京都北区)、優秀賞にはWAmazing(同・同都台東区)が選ばれた。(写真は、最優秀賞に選ばれたゼロスペックの多田満朗代表取締役。左は北海道銀行の大木孝志副頭取)
(写真は、優秀賞に選ばれたWAmazingの加藤史子代表取締役CEO)

 今年で5回目となる大会の統一テーマは「ポストコロナ時代のニューノーマル」で、北海道地区のオリジナルテーマは「チェンジ・ニュー・北海道」。北海道地区最終選考に残ったのは応募23社のうち8社で、各社7分間のピッチ(プレゼンテーション)を行って競った。

 里見英樹メディア・マジック代表取締役や浦田祥範北海道ベンチャーキャピタル代表取締役など5人の最終選考委員による審査の結果、最優秀賞にはゼロスペックの「IoT技術を活用した灯油配送最適化技術」が選ばれた。人手不足や高齢化で灯油配送業務は先細りが懸念され“灯油難民”が実際に生まれつつある中で、各家庭の灯油タンクにLPWA(低消費電力で遠距離通信を実現する通信方式)を使ったIoTスマートセンサーを設置、遠隔地から残量を確認できるシステム。配送のタイミングや給油量を最適化でき、消費データからAIで消費予測も可能となる。
 多田満朗代表取締役は、「コロナの中で賞をいただきありがたい。これから函館にクレーム対応に行かなければならないが憂鬱な気分が晴れた」とユーモアを交えて話した。賞金は50万円。

 優秀賞にはWAmazingの「インバウンド旅行者向けECサービス」が選ばれた。同社は、国内各空港でインバウンド旅行者向けSIMカードを無料提供してスマホ向けアプリサービスを展開しているが、このECサービスは、これをベースに利用者がいつでも免税価格で商品を購入、出国空港の無人ロッカーで非接触の受け渡しができるようにしたもの。賞金は20万円。
 2社は、21年1月13日に東京のオープンイノベーション共創拠点「DIAGONAL RUN TOKYO」で行われるグランプリファイナルに出場する。
※2020年12月18日記事一部修正しました。


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