北洋銀行(本店・札幌市中央区)は3日、女性経営者の交流会「北洋女性ビジネスセミナー」の2018年度2回目の会合を札幌市中央区の京王プラザホテル札幌で開催した。30人の会員を前に、ハー・ストーリィ(東京都港区)の日野佳恵子代表取締役が『女性視点マーケティング』をテーマに約90分間講演した。(写真は、講演するハー・ストーリィの日野佳恵子代表取締役)
日野氏は、ハー・ストーリィを1990年に広島市で創業。女性客に関心を持つ企業のマーケティング支援や実践研修を行っている。この日は、女性経営者の集まりということで、自社の経営履歴についても紹介。「リーマンショックで売り上げは3分の1になり、社員のリストラもせざるを得なかった。社員には土下座をして謝った」と事業は決して順調ではなかったことを明らかにした。
その後、本社を東京に移転、再起をかけて動き出したところに東日本大震災が発生。大手得意先との契約が次々とキャンセルになったことを説明し、「ビジネスの基本は強みを残すことだと悟り、女性視点マーケティング1本に絞り現在に至っている」と述べた。
日野氏は男女の購買行動の違いについて、「種の保存のために与えられた役割の違いが購買行動にも表れる。男性にとって買い物は、『狙うものの獲得』。女性にとっての買い物は『人の生活に必要なあれこれ』。男性はゴールに向かって進むが、女性には元々ゴールがない」など、性による違いを紹介した。
カラーについても女性は微妙な色の違いにも敏感だが、男性は色にはあまり刺激を受けないことに触れ、「女性は様々な色の中から買いたい色を選ぶ現実をとても大事にする」と示した。
また、女性は口コミが好き、コミュニケーションの数量で価値を実感する、ポジティブなイベントを見つけ出して楽しむ、付録などノベルティが大好きーーなど購買行動に繋がる特性に言及した。
特に着眼すべき女性マーケットについて、「働く女性の急激な増加やシニアの急激な増加に対応するモノ・コト消費に対するサービスや商品が不足している。これまでの日本のサービス・商品開発の流れが大きく変化している。過去に経験したことがない消費者環境の変化が来ている」と締め括った。