一昨日にこのコーナーで紹介した道銀元頭取、堀寛さんの「お別れの会」は、堀さんと生前縁のあった経済人など約700人が弔問に訪れ冥福を祈った。道銀にとっては、3代頭取の森鼻武芳さんの「お別れの会」を経験したこともあって、会葬はスムーズに進んだ。
会葬者へのお礼に立っていたのは、堰八義博頭取と藤田恒郎前頭取、喪主の堀昌子さんと2人の娘さん。堰八頭取と堀さんの家族が会葬者にお礼をするのは分かるが、そこに藤田前頭取が立っていることに違和感を覚えた会葬者も多かった。
と、いうのも、藤田さんは現在道銀では肩書きがないからだ。堀さんのお別れの会を主催する側に藤田さんは入っていないのである。
藤田さんは道銀行内では特別参与という呼称で呼ばれているが、対外的には役職のない前頭取というだけ。登記上は道銀とは無関係なのである。その藤田さんが堰八頭取と喪主の昌子さんの間に立って会葬者一人ひとりに挨拶をしているのは不自然に映った。
むしろ、頭取だった堀さんの元で働いた多くの道銀マンたちと同様に会葬する側に回るのが普通の感覚ではないだろうか。藤田さんは、自分から会葬者にお礼をする場に立ちたいと頼んだようだ。道銀サイドからは藤田さんに頼んでいないようだ。
そもそも、藤田さんは7年前に頭取を堰八さんに譲って道銀とは公的に縁が切れている。それでも公職(札幌観光協会会長)を担ったために道銀は公職会長を送り出している母体会社として藤田さんを個室、専用車、給与の3点セットで遇してきた。
しかし、札観協会長を昨年退任しており藤田さんを厚遇する理由はなくなっている。札幌学院大学理事長にその後就いたものの、こちらは公職とは言い難く、藤田さんを現在も3点セットで遇する理由は見当たらない。
堰八頭取は今年6月で就任満7年を経過、8年目に入った。初めての自前内閣を組織、文字通り堰八カラーが強く出てくる時期になっている。藤田さんを名実共に引退させる絶好の機会だったがそれをスルーさせたことで、藤田さんは無役のまま道銀に居座り続けることになりそうだ。
(写真は10月25日に札幌パークホテルで行われた堀寛元道銀頭取のお別れの会で会葬者に挨拶する藤田前頭取=中央)