北洋大通センターの竣工から2ヵ月、北洋銀行の会長、頭取を含めた役員全員が新ビルに移って1ヵ月になる。本店はまだ従来の北洋ビルで営業をしているが秋口には北洋大通センターに移転し大通支店と統合する予定だ。
旧北洋ビルの役員室は低層階にあって、大通公園側に面した役員個室もあったが、それほど見晴らしが良いというわけではなかった。
北洋大通センターの役員室のある階は、セキュリティの関係から明らかにされていない。銀行本部と商業施設が一体化したビルというのは、今回が全国的に見ても初めてということで、金融当局もセキュリティについてはかなりハードな規制を課したようだ。
例えば、エレベーターでは一般の人が紛れ込んでもIDカードがなければ目的の階にはいけないなど、二重、三重の安全策が採用されている。
役員フロアは明らかにされていないものの、10階以上のフロアにあるという。大通公園側に配置されており、個室は会長、頭取、副頭取2人、それに相談役の5室。旧北洋ビルの個室は4室だったので1室増えている。
さて、その眺めはどうか。
頭取の個室に入ったことのある関係者が言う。
「大通公園の眺めが良かったが、大通公園を挟んで斜め向かいにある道銀本店が眼下に見えるのもいい眺めなのでは」と北洋トップたちの心情を推察する。
銀行同士の対抗心は他の業界に比べてエッジが立っていると言われるほどすさまじいものがある。北洋にしても、道銀にしてもそれぞれ課題を抱えているが、それらを含めてみても、ライバル行を眼下に見るというのは心の安静を得る一つの要素にはなっているようだ。
もっとも、道銀本店の入っているビルも建て替えの計画があり、建て替え中に旧北洋ビルに道銀本部が間借り、新ビル完成後は北洋の役員フロアよりも上層階に入るということも考えられる。銀行同士の対抗心はそこまでやるものなのである。
(写真は北洋大通センター)