札幌市中心部の再開発計画の中で、最も早く進行する「北1西1街区」の再開発。2014年度に市街地再開発組合が設立され建設工事の入札が実施されるが、総額は約680億円とされ、果たしてこの金額で落札されるのかどうか関係者は気を揉んでいる。最悪の場合、「入札不落」になりかねず市が地権者として絡む準公共事業の面目が立たないという声も出ている。(写真は再開発が2014年度から進む北1西1街区=北2西2方向から撮影)
「北1西1街区」の再開発は、地上28階(約154m)、地下5階の高層オフィスビルと高さ約70mの高機能ホールを含んだ市民交流複合施設の2棟からなる。敷地面積は約1万1700㎡で建築面積は約9800㎡。
敷地面積のうち、現在北一条駐車場として利用されている土地約7200㎡は市の所有で、14年度に設立される市街地再開発組合に市も参画することになり、再開発は民間ベースで進められるものの準公共的事業としても位置付けられる。
工事費の総額は約680億円とされているが、関係者が気を揉んでいるのが、この額で果たして入札者が現れるかどうかという点。建設資材の高騰や職人不足から人件費の高騰が進み、発注金額では工事施工業者が赤字になってしまう可能性が出ているためだ。しかも、建築工事は3年間を要し東京オリンピック特需で資材価格や人件費はさらに高くなることも予想されている。
市の目玉事業とも言える「北1西1街区」の再開発事業が、入札不落という事態になる可能性は時の経過とともにますます高まっているようだ。